Hyperledger VS Ethereum ! Web3開発エキスパートがそれぞれの利点や用途を比較・解説します⚡️

Hyperledger VS Ethereum ! Web3開発エキスパートがそれぞれの利点や用途を比較・解説します⚡️

2023.02.24
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こんにちは!

今回は、ブロックチェーンネットワークとして幅広く利用されている HyperledgerEthereum について、それぞれの利点や用途を比較しながら解説しました!主な違いを9つのポイントでまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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はじめに

ブロックチェーンの世界では、 HyperledgerEthereum はともにもっとも人気のあるプラットフォーム、ブロックチェーンネットワークです。どちらもオープンソースであり、多くの産業レベルの問題を解決していることに加え、多数のブロックチェーンアプリケーションの作成にも役立っています。ブロックチェーン技術が発展し、多くの開発者が参入するなか、「どのブロックチェーンネットワークを使うべきか」「いつブロックチェーン技術を使うべきか」という質問がよく出てきます。 この質問に答えるには、この HyperledgerEthereum のテクノロジーの違いを理解することが重要です。

Ethereum とは

Ethereum はパブリックな分散型のコミュニティをベースとしたテクノロジーで、スマートコントラクト(特定のパラメータが呼び出され、特定の状況が起きた場合に動作や計算を行なうスクリプト)を実行するようデザインされています。

Ethereum ブロックチェーンでは、Ethereum Virtual Machine(EVM)と呼ばれる単一・正規のコンピュータが存在します。パブリックかつ分散型のプラットフォームであるため、ネットワーク上のすべてのノードは EVM の状態に同意し、そのコピーを保管します。ブロックチェーンに新しいブロックが追加されるたび、ネットワーク内のすべてのノードに存在するグローバルコピーにも追加されるのです。

Hyperledger とは

Hyperledger は分散型台帳ソリューションを構築するためのオープンソースプラットフォームで、高い機密性・柔軟性・耐障害性・拡張性を提供するモジュールアーキテクチャを備えています。そのため、このプラットフォームで開発されたソリューションはあらゆる産業への適応が可能です。 Linux Foundation が管理するプライベートで機密性の高いブロックチェーンフレームワークです。

Ethereum と Hyperledger の違い

以下、 EthereumHyperledger の主な違いを紹介します。

1. 目的

Ethereum は、 B2C ビジネスや分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームです。Ethereum Virtual Machine(EVM)上でスマートコントラクトを実行し、それによって大衆向けの分散型アプリケーションを構築する目的で作成されています。

一方 Hyperledger は、 B2B ビジネスや産業横断的なアプリケーションの作成を目的として設計されています。企業や産業が分散型台帳技術( DLT )の開発者と協力するのに役立ちます。 Hyperledger では、アクセス制限のあるカスタマイズされたブロックチェーンアプリケーションの作成が可能です。

2. 守秘義務

Ethereum はパブリックネットワークです。すべての取引には完全な透明性があり、インターネットにアクセスできる人なら誰でも取引を確認できます。

一方、 Hyperledger は限定的なアクセス、または許可をベースとしたブロックチェーンネットワークです。高度なセキュリティと機密性を備えています。認可証明書を持つ組織または個人のみが、ネットワーク上のすべての取引を確認できます。

3. ガバナンス

Ethereum のネットワークは、 Ethereum の開発者によってのみ統治されています。Vitalik Buterinが Ethereum の主要な開発者であり、創設者です。コラボレーションというよりは、ほとんど自社開発に近いといえるでしょう。

一方 Hyperledger は、 Linux Foundation によって統治されています。また、 IBM もこのフレームワークに貢献している主要なメンバーです。2つの企業による大規模なコラボレーションの成果であり、大きな成功を収めています。

4. 参加基準

Ethereum は、許可不要のパブリックなネットワークです。インターネットにアクセスできる人なら誰でもソフトウェアをダウンロードし、 Ethereum の採掘を開始できます。

一方 Hyperledger は、ネットワークへの参加を厳格に管理しています。 Hyperledger プラットフォームとそのツールを使用できるのは、認可されたメンバーとそのメンバーによって選ばれたピアだけです。これにより貴重な機密情報を外部組織から隠すとともに、外部からの操作を防いでいます。

5. スマートコントラクト

スマートコントラクトを最初に生み出したのは Ethereum でした。スマートコントラクトとは、特定の条件が満たされたときに自動的に発動するコンピュータプログラム、またはコードで書かれた条件のことです。スマートコントラクトは、契約当事者間のデジタル資産の移動を管理します。一度作成された条件は、第三者によって変更されることはありません。

スマートコントラクトのように、 Hyperledger にも参加組織が特定の条件で取引を行なうためのコードをピア上で実行できる、チェーンコードという仕組みがあります。

6. プログラミング言語

スマートコントラクトの記述にあたり、 Ethereum では solidity 、アプリケーションの開発には JavaScript 、PythonGolang などの高度な言語を使用できます。

一方 Hyperledger では、Go がチェーンコードの記述に広く使用されているほか、 Java や JavaScript もある程度使用されています。

7. プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とコンセンサスメカニズム

Ethereum は分散型ネットワークであるため、ブロックチェーン全体でプルーフ・オブ・ワーク( PoW )メカニズムまたはコンセンサスメカニズムが作動しています。これにより、分散型ネットワークの参加ノードが口座残高や取引順序などについてコンセンサスを得たり合意したりすることを可能とし、ユーザーが偽の取引をしたりコインを二重に使ったりすることを防げます。

一方、 Hyperledger はプライベートな許可ベースのネットワークであるため、取引を検証するための PoW やコンセンサスメカニズムが不要です。当事者同士が特定の取引に合意すれば、第三者はその取引を見たり、介入したりできなくなります。これはネットワーク全体のパフォーマンスだけでなく、拡張性や取引スピードの改善にも貢献します。

8. 取引のスピード

Ethereum はパブリックドメインであるため PoW メカニズムが存在し、 取引スピードを低下させています。1秒間に20回程度の取引です。

一方、 Hyperledger は許可制のブロックチェーンネットワークであるため、 Ethereum のような重い PoW メカニズムは必要ありません。そのため取引スピードが向上し、1秒間に2,000回程度の取引となっています。 Ethereum よりはるかに大きな数字です。

9. 仮想通貨

Ethereum にはETHEREUM(ETH)と呼ばれる独自の仮想通貨があります。参加ノードはガスを支払うことで、ETHを採掘できます。

一方 Hyperledger は独自の仮想通貨を持たず、採掘もできません。

EthereumHyperledger の違いを改めてまとめると、以下のとおりです。

特徴EthereumHyperledger
機密性パブリックプライベート
目的クライアントサイドの B2C アプリケーション企業レベルの B2B アプリケーション
ガバナンスEthereum 開発者Linux Foundation
参加誰でも認定証のある組織
プログラミング言語SolidityGolang 、 JavaScript 、 Java
コンセンサスメカニズムプルーフ・オブ・ワーク( PoW )プラグイン式コンセンサスメカニズム
取引スピード遅い速い
仮想通貨ETHEREUM ( ETH )なし

それぞれの使用ケース

EthereumHyperledger それぞれの使用ケースは、以下のとおりです。

Ethereum

パブリックまたは B2C のアプリケーションに適しています。開発者や開発組織が顧客向けの分散型アプリケーションを作成する際、 Ethereum のスマートコントラクトを利用できます。 Ethereum では誰でもネットワークに参加し、ノードを作成することが可能です。すべてのノードはブロックチェーン全体のコピーを保有しています。

また、コミュニティ主導のオープンソース・アプリケーションにも適しています。これらのアプリケーションには機密性が必要なく、世界中のブロックチェーン開発者コミュニティによって開発・ホストされています。 Ethereum を使った開発に適しているといえるでしょう。

Hyperledger

プライベートまたは B2B のアプリケーションに適しています。企業は、 Ethereum のようなパブリックブロックチェーンにおける機密データの保管を望みません。 許可制のブロックチェーンネットワークとして、 Hyperledger はその問題を解決します。組織における情報のプライバシーを維持したまま、ブロックチェーンアプリケーションの作成機能を提供します。

また、カスタマイズされたブロックチェーンアルゴリズムの作成も可能です。組織や事業が独自のブロックチェーンアルゴリズムを定めたい場合、 Hyperledger が役に立つでしょう。 Hyperledger プロジェクトでは、ブロックチェーンの基礎となるインフラ全体を調整することが可能です。この柔軟性は、ビジネス目的のカスタマイズされたブロックチェーンアプリケーションを作る際、非常に便利です。

まとめ

今回は、人気のあるブロックチェーンネットワークである HyperledgerEthereum について、特徴や用途の違いを解説しました。それぞれ異なる特徴を備えるため、プロジェクトの要件に基づいて最適なプラットフォームを選ぶことが大切です。

ブロックチェーン技術は今後もさまざまな形での活用が予想されます。ブロックチェーン / サーバーレスに関する開発相談は、お気軽にお問い合わせください。