こんにちは!
AWSへの移行を検討されている方や移行プロジェクトを推進されている方に向けて、AWS移行のベストプラクティスと活用できるリソースについてご紹介します。
近年、クラウド活用の機運が高まる中、AWSをはじめとするクラウドサービスへの移行が加速しています。移行の目的は様々ですが、コスト最適化、俊敏性の向上、イノベーションの加速など、ビジネス価値の創出を目指すケースが多いのではないでしょうか。
しかし、大規模で複雑なシステムの移行となると、それだけ多くの課題やリスクが伴います。移行をスムーズかつ確実に進めるためには、適切な戦略とプロセス、ツールが不可欠です。
AWSでは、これまでの数多くの移行プロジェクトの経験から、移行のベストプラクティスをまとめた “Large migrations to the AWS Cloud” や「Migration Lens – AWS Well-Architected Framework」といったドキュメントを提供しています。また、移行の各フェーズで활用できる様々なサービスやツールも用意されています。
本記事では、AWSが提唱する移行の3つのフェーズ「Assess」「Mobilize」「Migrate & Modernize」に沿って、各フェーズにおける主要なアクティビティと、活用できるAWSリソースを解説していきます。
Assessフェーズは、移行の全体像を把握し、移行の方向性を定めるフェーズです。主なアクティビティは以下の3つです。
Assessフェーズの第一歩は、移行対象となるアプリケーションやインフラの現状を把握し、システム毎の移行方式を検討することです。AWSでは「7R」と呼ばれる7つの移行パターンを提唱しています。
早期に価値を出すためには、まずはRehost等の工数が少ない移行から始め、徐々にモダナイゼーションを進めるのが望ましいアプローチです。
次に移行によるTCO(総保有コスト)の削減効果を試算します。単純な移行コスト比較だけでなく、クラウド化によるビジネス価値(俊敏性、イノベーション、グローバル展開など)も加味して評価することが重要です。
TCO試算に当たっては、以下のようなAWSのツールが役立ちます。
移行の障壁となりうる課題を事前に洗い出すため、組織の移行準備状況を評価します。AWSのCloud Adoption Framework (CAF)では、ビジネス、人材、ガバナンス、プラットフォーム、セキュリティ、運用の6つの観点から移行へのレディネスを評価します。
移行準備状況のアセスメントには以下のツールが利用できます。
Mobilizeフェーズでは、Assessフェーズの結果を受けて、移行の実行計画を策定します。主なアクティビティは「8つのワークストリーム」と呼ばれ、以下が含まれます。
これらのワークストリームを通して、移行のための技術的な環境整備と、組織変革を進めていきます。また、パイロット移行の実施により、移行手順の検証と移行チームのスキル向上を図ります。
Mobilizeフェーズで活用できる主なAWSリソースは以下の通りです。
Assessフェーズで策定された計画に基づき、実際の移行を実行するフェーズです。移行と並行して、クラウドネイティブへのモダナイゼーションも進めていきます。
移行対象のワークロード(サーバ、データベース、データ)に応じて、以下のような移行支援サービスを活用できます。
本記事では、AWSが提唱する移行の3つのフェーズ「Assess」「Mobilize」「Migrate & Modernize」について、それぞれの主要アクティビティと、活用できるAWSリソースを概観しました。
クラウド移行の成否は、単に技術的な側面だけでなく、ビジネスや組織の変革をいかに進められるかにかかっています。移行プロジェクトを通じて、クラウドの価値を最大限引き出すことができるよう、AWSのリソースを活用しながら、戦略的に取り組んでいきたいものです。
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