AWS Lambda は、サーバーレスアーキテクチャの中核を担うサービスであり、イベント駆動型のアプリケーション開発に広く利用されています。Lambda 関数のパフォーマンスとコストを最適化するためには、適切なメモリサイズを割り当てることが重要です。
本記事では、AWS Lambda のメモリサイズの目安や設定方法、ベストプラクティスについて解説します。また、実際の開発現場で得られた知見や事例も交えながら、メモリサイズの最適化によるコスト削減と性能向上のポイントを紹介します。
AWS Lambda 公式ドキュメント: AWS Lambda の基本 AWS Lambda の設定
AWS Lambda のメモリサイズとは、Lambda 関数に割り当てられるメモリ量のことを指します。メモリサイズは 128MB から 10,240MB まで、64MB 単位で設定可能です。
メモリサイズは、Lambda 関数のパフォーマンスとコストに直結する重要な設定項目です。割り当てるメモリ量が多いほど、関数の実行速度は向上しますが、その分コストも増加します。逆に、メモリ量が不足していると、関数がタイムアウトしたり、エラーが発生したりするリスクがあります。
したがって、各 Lambda 関数の特性に合わせて、適切なメモリサイズを見極めることが肝要です。
Lambda 関数の用途や処理内容によって、必要とされるメモリ量は異なります。以下に、代表的なユースケースごとの目安を示します。
Lambda 関数のメモリサイズは、AWS マネジメントコンソールや AWS CLI、AWS SDK など、様々な方法で設定できます。ここでは、AWS マネジメントコンソールでの手順を紹介します。
変更したメモリサイズは、次回の関数実行から適用されます。
Lambda 関数のメモリサイズを最適化するためのベストプラクティスを以下に示します。
AWS CloudWatch Logs / Insight を使うと、Lambda 関数のログを収集・分析できます。ログにはメモリ使用量の情報が含まれているので、関数の実行状況を把握し、メモリサイズの過不足を判断する材料になります。
新しく作成した Lambda 関数は、まず小さめのメモリサイズから始めましょう。その上で、徐々にメモリを増やしながらパフォーマンスを計測します。レスポンスタイムが要件を満たし、かつコストが許容範囲内に収まるメモリサイズを見つけることで最適化を図ります。
レイテンシーの計測には、X-RAYなども有効です。
1 つの Lambda 関数で複数の処理を行っている場合、メモリ使用量が肥大化してしまうことがあります。そのような場合は、関数を複数の単機能な関数に分割することを検討しましょう。細かく分割することで、それぞれの関数に最適なメモリサイズを割り当てられます。
Lambda 関数で使用するライブラリやフレームワークのサイズにも気を付けましょう。大きなライブラリを含めると、デプロイパッケージのサイズが増大し、メモリ使用量も増えてしまいます。不要な依存関係を削除したり、軽量な代替ライブラリを探したりすることで、メモリの使用を抑えられます。
本記事では、AWS Lambda のメモリサイズについて、以下の内容を解説しました。
メモリサイズは Lambda 関数のパフォーマンスとコストを左右する重要な設定です。画一的な設定ではなく、関数ごとの特性を見極めて適切にメモリを割り当てることが肝要です。
CloudWatch でのメモリ使用量の確認、テストを通じた最適値の探索、関数の分割、ライブラリの最適化など、本記事で紹介したプラクティスを参考に、ぜひ皆さんの環境でもメモリサイズの最適化に取り組んでみてください。コスト削減と性能向上の両立を実現できるはずです。
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