この記事は、SIer 企業の AWS 開発案件のプロジェクトマネージャーや開発リーダー、自社製品開発企業のプロジェクトマネージャーや開発リーダーなど、システムのモダナイゼーションに関わる方を対象としています。モダナイゼーションの定義、メリット、デメリット、フレームワーク、考え方など、モダナイゼーションを進める上で知っておくべき基本的な情報を解説していきます。
皆さんは、「モダナイゼーション」って言葉、最近よく耳にしませんか?
特に我々IT業界では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈で頻繁に登場するキーワードですよね。
でも、いざ「モダナイゼーションって何?」と聞かれると、明確に説明するのは意外と難しいと感じている方も多いのではないでしょうか?
例えば、
どれもモダナイゼーションの一環と言えますが、それだけではありません。
本記事では、モダナイゼーションの本当の意味と目的、そして、モダナイゼーションを進める上での考え方について、私の経験を踏まえながら解説していきます。
モダナイゼーションとは、単に古いシステムを新しい技術で置き換えることではありません。
企業や組織が、変化の激しいビジネス環境や顧客ニーズ、そして、技術革新のスピードに柔軟に対応し、競争力を維持し続けるために、既存のシステムやアプリケーション、インフラストラクチャ、そして、開発プロセス全体を継続的に進化させていくことを指します。
従来のシステム開発は、ウォーターフォール型で、一度構築したら長期間に渡って運用されることが前提でした。
しかし、現代のビジネス環境は、グローバル化、デジタル化、そして、顧客ニーズの多様化によって、かつてないスピードで変化しています。
このような環境下では、従来型のシステムでは、以下の様な課題に直面するケースが増えています。
ウォーターフォール型の開発プロセスは、要件定義からリリースまでに時間がかかり、ビジネスの変化に迅速に対応することが難しい場合があります。
長年運用されてきたシステムは、機能追加や改修を繰り返すことで複雑化し、保守・運用コストが増大する傾向があります。
古いシステムは、最新のセキュリティ対策が施されていない場合が多く、セキュリティリスクが高まります。
古いシステムでは、AIやIoT、クラウドなどの最新技術を活用することが難しく、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。
これらの課題を解決し、企業が競争力を維持し続けるためには、モダナイゼーションが必要不可欠です。
モダナイゼーションによって、企業は様々なメリットを享受することができます。主なメリットは以下の点が挙げられます。
モダナイゼーションには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。主なデメリットは以下の点が挙げられます。
モダナイゼーションを成功させるためには、適切な計画と準備が必要です。以下に、モダナイゼーションを進める上での一般的なステップをご紹介します。
モダナイゼーションを進める上で、参考になるフレームワークがいくつか存在します。ここでは、代表的なフレームワークを 2 つご紹介します。
AWS クラウド導入フレームワーク (AWS CAF) は、組織がクラウド導入を成功させるための包括的なガイダンスを提供するフレームワークです。AWS CAF は、ビジネス、人材、ガバナンス、プラットフォーム、セキュリティ、運用の 6 つの視点から、クラウド導入に必要な要素を定義しています。
ガートナーは、アプリケーションのモダナイゼーション戦略として、以下の 5 つの選択肢を提唱しています。
戦略 | 説明 |
---|---|
リホスト (Rehost) | アプリケーションをそのままクラウドに移行する。 |
リプラットフォーム (Replatform) | アプリケーションをクラウドのマネージドサービスに移行する。 |
リファクタ (Refactor) | アプリケーションをクラウドネイティブなアーキテクチャに再構築する。 |
再購入 (Repurchase) | アプリケーションを SaaS に置き換える。 |
廃止 (Retire) | アプリケーションを廃止する。 |
モダナイゼーションを成功させるためには、以下の様な考え方を意識することが重要です。
この記事では、モダナイゼーションの本当の意味と目的、そしてモダナイゼーションを進める上での考え方について解説してきました。
モダナイゼーションとは、単に古いシステムを新しい技術で置き換えることではありません。企業や組織が、変化の激しいビジネス環境や顧客ニーズ、そして、技術革新のスピードに柔軟に対応し、競争力を維持し続けるために、既存のシステムやアプリケーション、インフラストラクチャ、そして、開発プロセス全体を継続的に進化させていくことを指します。
モダナイゼーションを成功させるためには、適切な計画と準備、そして、ビジネス価値を重視した段階的かつ継続的な改善が必要です。
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