セキュリティデータ分析基盤の構築とログ収集・分析は、セキュリティ運用において非常に重要です。セキュリティ侵害の調査や対策、コンプライアンス対応などに役立つ一方で、大規模な環境では膨大なログデータの収集、正規化、分析、管理が課題となります。
本記事では、Amazon Security Lake と Open Cybersecurity Schema Framework (OCSF) を活用して、セキュアで効率的なログ収集・分析基盤を構築する方法と、そのメリットについて解説します。
セキュリティデータを大規模に管理する場合、以下のような課題に直面することがあります。
組織の拡大やクラウドサービスの利用状況の変化に伴い、AWS アカウントやリソースは頻繁に変動します。既存のログ収集基盤では、新しいアカウントやリソースを追加する度に、手動で設定変更やコードの更新が必要になるケースが多く、運用負荷が高まります。
カスタム Lambda 関数やパーティションの作成など、煩雑な作業が発生し、エンジニアの時間と労力を奪ってしまいます。
セキュリティデータは、その種類や重要度に応じて適切なライフサイクル管理とアクセス制御が必要です。コンプライアンス要件を満たすために、特定のログデータを長期間保存する必要がある場合もあります。
従来のログ収集基盤では、データの保存期間やアクセス権限の設定が複雑で、管理が煩雑になりがちです。標準クラス、Glacier Deep Archive など、データの利用頻度に合わせて適切なストレージクラスを選択し、効率的に管理することが求められます。
ログデータは、セキュリティインシデントの調査や対策だけでなく、セキュリティ態勢の改善やビジネス上の意思決定にも活用できる貴重な情報源です。
しかし、従来のログ収集基盤では、データの形式が統一されていなかったり、分析に必要なツールやスキルが不足していたりするため、ログデータから価値を引き出すのが難しい場合があります。
ログデータから有用な情報を効率的に抽出するためには、データの正規化、分析、可視化、アラート機能などが重要となります。
Open Cybersecurity Schema Framework (OCSF) は、セキュリティデータの正規化を簡素化するために策定されたオープンな標準規格です。AWS を含む 200 以上の組織が参加するオープンソースプロジェクトによって開発されており、ベンダーや環境に依存しない統一的なデータスキーマを提供します。
OCSF を採用することで、以下のようなメリットが得られます。
Amazon Security Lake は、セキュリティ関連のログや検知結果を、アカウントやリージョンをまたいで一元的に収集・管理できるサービスです。AWS ネイティブのサービスや SaaS アプリケーション、サードパーティ製品など、様々なソースからログデータを自動的に収集し、OCSF に準拠した形式で Amazon S3 に保存します。
Security Lake を導入するメリットは以下の点が挙げられます。
Security Lake と OCSF を活用することで、大規模なセキュリティデータ分析基盤を効率的かつセキュアに構築し、セキュリティ運用を強化することができます。これらのサービスは、ログの収集、正規化、分析、管理を自動化することで、セキュリティチームの負担を軽減し、より重要な業務に集中できる環境を実現します。
Security Lake は、セキュリティデータ管理の課題を解決する強力なツールであり、セキュリティ態勢の強化に大きく貢献します。
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