クラウド上での堅牢なセキュリティ・コンプライアンス管理への道のり: AWSにおけるベストプラクティスを紹介します😎

クラウド上での堅牢なセキュリティ・コンプライアンス管理への道のり: AWSにおけるベストプラクティスを紹介します😎

クラウドサービスの利用が当たり前になった昨今、セキュリティやコンプライアンスへの関心はますます高まっています。特に、金融サービスやヘルスケアなどの規制の厳しい業界では、コンプライアンスへの対応は必須と言えるでしょう。

一方で、クラウドの特性を活かした迅速な開発とスケーラビリティを実現するためには、従来のコンプライアンス手法を見直す必要性も出てきています。本記事では、AWSにおけるコンプライアンスへの取り組み方、そして、クラウドの力を最大限に活用するためのコンプライアンスと監査の最新のアプローチについて解説します。

クラウドセキュリティガバナンス

まず、クラウドセキュリティガバナンスの概要について説明します。コンプライアンスとは、クラウドセキュリティガバナンス戦略がどの程度うまくいっているかを評価するための指標です。これは継続的なサイクルであり、リスク評価から始まり、インシデント対応で終わります。その間にあるのは、優れたセキュリティ対策の実施です。

リスクを考える際には、脅威モデリングとインシデント対応という2つの重要な側面があります。リスクには、世界共通の規制要件、金融サービスやヘルスケアなどの規制産業特有の規制、そして組織のビジネスリスクが含まれます。これらのリスクを踏まえ、ハイブリッド環境、マルチクラウド環境、AWS環境全体に適用できるフレームワークを構築する必要があります。

フレームワークを構築したら、自動化を検討しましょう。自動化は、効率性と有効性を向上させるための重要な要素です。

なぜクラウド環境でコンプライアンスが必要なのか?

クラウド環境では、開発者は非常に速いペースで作業を進めることができます。そのため、従来のセキュリティ担当者と開発者の比率 (例えば50対1や100対1) では、迅速な開発とスケーリングに対応できません。コンプライアンスのアプローチを近代化し、セキュリティとコンプライアンスを開発プロセスに統合することで、迅速な開発とセキュリティの両立が可能になります。

コンプライアンスの現状

多くの企業では、コンプライアンスの現状は巨大なスプレッドシートのようなものです。つまり、コントロールはスプレッドシートで管理され、監査のタイミングはメールで通知され、証明は手動で行われています。

このような手法は、人的ミスや知識の喪失によるコントロールの失敗を引き起こしやすく、プログラムの効率性と有効性を低下させてしまいます。さらに、コンプライアンスコストの40%が間接費であるという調査結果もあります。これは、コンプライアンスチーム以外の人員や、開発業務から離れてコンプライアンス対応に時間を割いていることによるコストです。

なぜ今、コンプライアンスを変革する必要があるのか?

コンプライアンスは、ますます複雑化、動的化、分散化、規制強化、そしてコスト増加が進んでいます。企業データの60%がクラウドに保存されている現在、コンプライアンスと監査プログラムをクラウドに移行し、データを活用した効率的かつスケーラブルな運用を実現することが不可欠です。

コンプライアンスの近代化: AWS Config

AWS Configは、リソースの設定を評価、検証、監査できるサービスです。AWS Configを使用すると、EC2インスタンスやKubernetesクラスタなどのリソースの設定ミスを特定できます。また、コスト効率の観点からも有用です。例えば、Savings Plansに含まれていないEC2タイプを使用しているチームを特定できます。

AWS Configは、設定変更の履歴を記録し、コンプライアンスパック (複数のConfigルールのグループ) を使用して、マルチアカウント環境全体にわたるコンプライアンス状態を可視化します。ダッシュボードからコンプライアンス状態を確認できるだけでなく、APIを通じてワークフロー管理システムに統合することも可能です。

セキュリティハブ

AWS Security Hubは、セキュリティに関する情報を集約し、可視化するサービスです。Security Hubは、AWS Config、Amazon Inspector、Amazon GuardDutyなど、さまざまなセキュリティサービスと統合されています。これにより、セキュリティ体制全体の可視性を高め、潜在的なセキュリティリスクを迅速に特定・対応できます。

コントロールタワー

AWS Control Towerは、マルチアカウント環境のセットアップとガバナンスを自動化するサービスです。Control Towerは、アカウントの構造、セキュリティ、コンプライアンスのベストプラクティスに基づいて、新しいAWSアカウントを自動的にプロビジョニングします。また、GuardDuty、Config、CloudTrailなどを利用して、セキュリティとコンプライアンスの継続的な監視と自動修復を実現します。

継続的なコンプライアンス

AWS ConfigとSecurity Hubを組み合わせることで、継続的なコンプライアンスを実現できます。変更が発生するたびにAWS Configが設定情報を記録し、Security Hubで可視化されるため、常に最新のコンプライアンス状態を把握できます。さらに、Systems Manager Automation Runbooksを使用して、コンプライアンス違反を自動的に修復することも可能です。

コンプライアンスを差別化要因に

従来のスプレッドシートベースのコンプライアンス管理から脱却し、クラウドの力を活用することで、コンプライアンスを差別化要因に変えることができます。

AWS Configなどのツールを使用することで、リアルタイムのコンプライアンス評価が可能になり、コスト削減、リスク軽減、開発スピードの向上を実現できます。さらに、AI/MLを活用することで、将来的なコンプライアンス要件にも対応できる柔軟な体制を構築できます。

まとめ

本記事では、クラウドコンプライアンスの現状と課題、そして、AWSにおけるコンプライアンスと監査の最新のアプローチについて解説しました。AWS Config、Security Hub、Control Towerなどのサービスを活用することで、継続的なコンプライアンスを実現し、ビジネスの成長を加速させることが可能になります。

コンプライアンスと監査は、もはやコストセンターではなく、ビジネスの差別化要因となり得る時代です。積極的にクラウドの力を活用し、コンプライアンスと監査の近代化に取り組みましょう。

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