AWS Summit Japan 2024 で学研が発表!Amazon Bedrockで実現するデジタル教育サービスを紹介

AWS Summit Japan 2024 で学研が発表!Amazon Bedrockで実現するデジタル教育サービスを紹介

こんにちは! 皆さん、生成AIって最近よく耳にするけど、教育現場でどう活用できるか気になりませんか?

生成AIは、教育分野、特に学習塾や学校において大きな変革をもたらす可能性を秘めていると我々は考えています。

本記事では、学研が提供するデジタル教育サービス「Gakken Digital Learning System(GDLS)」と、最新の生成AIであるAmazon Bedrockを活用した取り組みについて解説します。

教育現場における課題

まず、日本の教育業界における共通の課題について考えてみましょう。

  • 少子化の進行: 教育機関(特に小中学校)の生徒数が減少しており、それに伴い、生徒1人当たりの価値が高まっています。
  • 教育サービスに対するニーズの多様化: EdTech分野の進歩やコロナ禍での学習形態の変化により、学習者ニーズは多様化しており、画一的なサービスでは対応できません。
  • 指導者不足: 特に地方において深刻な指導者不足が課題となっています。

このような課題に対して、生成AIは非常に有効な解決策となり得ると考えられます。

GDLSとは

https://juku-gdls.gakken.jp/aboutsgdls/

GDLSは、学研グループが提供するAIを活用したデジタル教材システムです。生成AIが注目される以前からAIを活用しており、多くの教育機関で利用されています。

GDLSの主な機能は下記の3点です。

  • 学習コンテンツ: 学研グループが保有する豊富な教材をもとに、13万問以上の問題をデジタル化し、解説動画とともに提供しています。
  • 理解度分析: AIが生徒一人ひとりの理解度を分析し、最適な学習パスを提供します。
  • 学習管理システム(LMS): 生徒の学習進捗や成績をグラフで可視化し、指導者や保護者が生徒の学習状況を把握し、適切なサポートを提供できるようにします。

GDLSは、塾、学校、家庭学習など、様々な学習形態で活用されています。

GDLSにおける生成AI活用

では、GDLSでは具体的にどのように生成AIを活用しているのでしょうか?

学研が持つ豊富な教育データとAI技術を組み合わせることで、質の高い教育サービスを実現しています。具体的には、下記のような取り組みを行っています。

個別最適化

生徒一人ひとりのニーズに最適なコンテンツやサポートを提供するために、生成AIを活用しています。

従来のAIでは、生徒の理解度や学習進捗を分析し、最適な学習パスを提供することは可能でしたが、生成AIの活用により、さらにきめ細やかな個別最適化が可能になります。例えば、生徒の学習履歴や理解度に応じて、個別最適化されたメッセージを生成AIが自動で作成し、生徒のモチベーション向上を図ることができます。

質疑応答

生徒からの質問に対して、AIが適切な回答を提供する機能も開発中です。

従来の質疑応答システムでは、事前に用意された回答パターンの中から最適なものを選択する方式が一般的でした。しかし、生成AIを活用することで、生徒の質問内容を理解し、より自然で適切な回答を生成することが可能になります。

類題生成

生徒が問題を解いた後、さらに理解を深めるために、類題を自動生成する機能も検討しています。

従来は、教師が手作業で類題を作成していましたが、生成AIを活用することで、生徒の理解度や学習進捗に合わせて最適な類題を自動生成することが可能になります。これにより、教師の負担を軽減し、より効率的な学習指導を実現できます。

Amazon Bedrock × 教育サービス

学研では、生成AIの開発・提供基盤としてAmazon Bedrockを活用しています。

Amazon Bedrockは、AWSが提供するフルマネージド型の生成AIサービスです。セキュリティやランニングコストの面で優れており、日々進化する最新の生成AI技術を容易に導入できるというメリットがあります。

セキュリティ対策

教育サービスにおいて、生徒の個人情報保護は非常に重要です。Amazon Bedrockのセキュアな環境を活用することで、生徒のデータ保護を強化し、安全な学習環境を提供できます。

ハルシネーション対策

生成AIを活用する上で、ハルシネーション(事実とは異なる内容を生成してしまう現象)対策は重要な課題です。学研では、ハルシネーション対策として、下記のような取り組みを行っています。

  • ファクトチェック: 生成AIが生成したメッセージや回答を、人間の専門家がチェックし、事実関係の誤りがないか確認しています。
  • データの精査: 生成AIの学習データとして使用するデータの質を高めるため、専門家によるデータの精査やクリーニングを行っています。
  • 限定的な利用: ハルシネーションのリスクが高い分野では、生成AIの利用を限定し、従来のAI技術と組み合わせて活用しています。

これらの対策を講じることで、生成AIのメリットを最大限に活かしながら、安全で質の高い教育サービスを提供できるよう努めています。

まとめ

本記事では、学研が提供するデジタル教育サービス「GDLS」と、最新の生成AIであるAmazon Bedrockを活用した取り組みを紹介しました。

生成AIは、教育分野において大きな可能性を秘めており、個別最適化、質疑応答、類題生成など、様々な分野で活用が期待されています。しかし、ハルシネーション対策など、解決すべき課題も存在します。

今後、生成AI技術の進歩とともに、これらの課題が解決され、さらに優れた教育サービスが提供されるようになることが期待されます。

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