本記事では、AWSクラウド戦略から組織開発、人材育成へのアプローチについて解説していきます。
これからクラウド導入を検討されている方や、すでにAWSを利用しているものの、組織開発や人材育成に課題を感じていてスムーズな導入・浸透が出来ないという課題を多く耳にします。
それらの課題に対する有効なアプローチは何なのか?
本記事では「ヒト」に焦点をあてて丁寧にクラウド導入を解説します。
クラウド導入や利用における課題は、技術的な側面だけでなく、むしろ非技術的な側面が大きな割合を占めているケースが多いです。
多くの企業が、クラウド導入によってビジネス変革やデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指していますが、その成功率は必ずしも高くありません。
IDCの調査によると、DXプロジェクトの約70%が目標達成に失敗しているという結果が出ています。
この失敗の原因は、技術的な課題というよりも、むしろ人材、ビジネス、カルチャー、運用モデル、製品開発、ガバナンスの変更など、非技術的な課題に起因することが多いのです。
クラウド導入における非技術的な課題は、個々の企業やプロジェクトによって状況が異なるため、画一的な解決策を見つけることは容易ではありません。
しかし、適切なアプローチと例えばSIer企業の伴走支援によって、これらの課題を克服し、クラウド導入を成功させることは十分に可能です。
例えば、AWSが提供する「クラウド導入フレームワーク(CAF)」は、クラウド導入・利用における様々な課題を体系的に整理し、解決策を見つけるためのフレームワークです。
CAFでは、以下の6つの観点から課題を分析し、具体的な対策を検討します。
CAF 観点 | 対策 |
---|---|
ビジネス | ビジネス目標や戦略を明確化し、クラウド導入によってどのように実現するかを検討します。 |
人 | クラウド導入に必要な人材のスキルや役割、組織体制を整備します。 |
ガバナンス | クラウド利用に関するポリシーやルール、責任体制を構築します。 |
プラットフォーム | クラウド基盤の設計や構築、運用方法を検討します。 |
セキュリティ | クラウド環境におけるセキュリティ対策を検討します。 |
運用 | クラウド環境の運用体制やプロセスを構築します。 |
これらの観点に基づき、現状と目標とする姿を明確化することで、クラウド導入のロードマップを策定し、段階的にプロジェクトを進めることができます。
クラウド導入を成功させるためには、まずデータと事実に基づいた戦略を立てることが重要です。
多くの企業では、クラウド導入の目的や目標が曖昧なまま、具体的な施策に進んでしまいがちです。
例えば、「クラウドネイティブで進めていくべきだ」や「クラウドに移行するなら単純移行がセオリーらしい」といった、How to の話から導入を検討してしまうケースがよく見られます。
しかし、How to はあくまで手段であり、目的や目標を達成するために最適な方法を選択しなければなりません。
そのためには、現状を正確に把握し、目標とする姿を明確にする必要があります。
現状分析には、AWS CAFやクラウド成熟度評価(CMA)などのツールを活用できます。
CAFは、上述した6つの観点からクラウド導入における現状の課題を洗い出し、ToBeに向けたロードマップ策定を支援します。
CMAは、77個の質問に回答することで、組織全体のクラウド成熟度を5段階で評価します。
これらの評価結果を分析することで、自社のクラウド導入における強みと弱みを客観的に把握し、具体的な改善策を検討することができます。
クラウド導入を推進するためには、組織全体を支える専門家集団(CCoE: Cloud Center of Excellence)の設置が有効です。
CCoEは、クラウド導入に関する知見やノウハウを社内に蓄積し、各部門やプロジェクトを支援する役割を担います。
CCoEは、経営層、プロジェクトチーム、IT部門など、組織内の様々なステークホルダーと連携し、クラウド導入をスムーズに進めるための調整役となります。
CCoEの具体的な役割としては、以下の様なものが挙げられます。
CCoEは、組織全体でクラウド導入を成功させるための司令塔としての役割を担い、クラウドのメリットを最大限に引き出すために欠かせない存在です。
CCoE設置や戦略策定と並行して進めるべきなのが、人材育成です。
クラウド導入を成功させるためには、クラウド技術を理解し、適切に活用できる人材が不可欠です。
しかし、従来型の座学中心のトレーニングでは、クラウドの特性を十分に理解することが難しく、実務で活かせるスキルを習得することが困難な場合があります。
そこで、AWSでは実践的な課題解決型のトレーニングプログラム「AWS Jam」を提供しています。
AWS Jamは、ハンズオン形式でクラウドサービスを実際に操作しながら、現実のプロジェクトで発生しうる課題を疑似体験できるトレーニングプログラムです。
参加者は、チームで協力しながら課題に挑戦することで、実践的なスキルや知識を習得することができます。
AWS Jamの特徴は、知識の習得だけでなく、実践的なスキル向上とチームワーク強化を同時に実現できる点にあります。
参加者は、問題解決能力、コミュニケーション能力、クラウド技術の活用能力など、クラウド導入に必要なスキルを総合的に身につけることができます。
本記事では、AWSクラウド戦略から組織開発、人材育成へのアプローチについて解説しました。
クラウド導入・利用における課題の多くは、非技術的な側面に起因することが多く、適切な戦略策定、組織体制の整備、人材育成が重要となります。
AWSはCAFやCMAといったツール、CCoE設置支援、AWS Jamなどのトレーニングプログラムを通じて、お客様のクラウド導入を包括的に支援します。
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