SaaS市場の現在地|国内企業の事業フェーズ分布

約4割が「当てはまらない」と回答した理由
まず、SaaS事業のフェーズについて質問したところ、興味深い結果が得られました。
【Q: 現在のSaaS事業のフェーズとして、最も近いものをお選びください】(n=550)
選択肢 | 割合 | 回答数 |
|---|---|---|
当てはまるものはない | 54.0% | 297名 |
PoC・MVP開発段階 | 13.6% | 75名 |
新規SaaS事業の立ち上げ企画中 | 11.6% | 64名 |
本番リリース済みで成長拡大フェーズ | 11.5% | 63名 |
既存プロダクトをSaaS化検討中 | 9.3% | 51名 |
「当てはまるものはない」が54.0%と最多を占めました。これは、SaaS事業への関心はあるものの、具体的なアクションにはまだ至っていない層が相当数存在することを示しています。
一方、何らかのフェーズにある企業は46.0%(253名)であり、そのうち「新規立ち上げ企画中」「PoC・MVP段階」「SaaS化検討中」を合わせた34.5%が開発・準備段階にあります。SaaS市場は成熟期に入りつつも、新規参入や既存ビジネスのSaaS化需要は依然として高いことがわかります。
成功指標の設計状況|「体系化完了」はわずか1割
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LTV・NRRを運用できている企業は少数派
SaaSビジネスの成長を左右するLTV(顧客生涯価値)やNRR(純収益維持率)の設計状況について質問しました。
【Q: SaaS事業におけるLTV・NRRなどの成功指標の設計状況をお選びください】(n=550)
選択肢 | 割合 | 回答数 |
|---|---|---|
当てはまるものはない | 54.0% | 297名 |
主要指標は定義しているが、運用・改善はこれから | 15.1% | 83名 |
指標の重要性は理解しているが、設計はこれから | 11.6% | 64名 |
指標の体系化が完了し、定期的に改善回している | 9.6% | 53名 |
指標設計について詳しく知りたい | 9.6% | 53名 |
指標の体系化が完了し運用できている企業はわずか9.6%という結果でした。「主要指標は定義しているが運用・改善はこれから」と合わせても24.7%に留まります。
指標設計に課題を抱える企業が3分の1
「指標の重要性は理解しているが設計はこれから」「指標設計について詳しく知りたい」を合わせると21.2%。5社に1社以上が、KPI設計の重要性を認識しながらも具体的な着手に至っていない状況です。
この結果は、「何を測定すべきか」「どう改善サイクルを回すべきか」について、多くの企業が方法論を模索している実態を浮き彫りにしています。
サーバーレス導入の現状|検討中・予定を含めると約2割
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従来型サーバー運用からの移行は進んでいない
SaaS事業の開発基盤・インフラについて、サーバーレスアーキテクチャの導入状況を調査しました。
【Q: SaaS事業の開発基盤・インフラについて、現在の状況をお選びください】(n=550)
選択肢 | 割合 | 回答数 |
|---|---|---|
当てはまるものはない | 66.9% | 368名 |
従来型のサーバー運用で、移行は未検討 | 11.1% | 61名 |
サーバーレス検討中 | 7.6% | 42名 |
サーバーレスアーキテクチャを導入済み | 7.5% | 41名 |
新規構築でサーバーレスを採用予定 | 6.9% | 38名 |
サーバーレス導入済みは7.5%、検討中・採用予定を含めても22.0%に留まりました。一方、「従来型のサーバー運用で移行は未検討」は11.1%であり、既存のインフラから移行に踏み切れていない企業が一定数存在しています。
サーバーレスのメリットと導入障壁
サーバーレスアーキテクチャは、以下のメリットがあります:
- 運用負荷の大幅削減:サーバー管理が不要になり、開発に集中できる
- コスト最適化:使用量に応じた従量課金でアイドル時のコストがゼロ
- 自動スケーリング:トラフィック変動に自動対応
しかし、「既存システムからの移行コスト」「技術的な知見不足」「ベンダーロックインへの懸念」といった障壁が、導入を躊躇させている要因と考えられます。
SaaS成功の重視ポイント|「インフラコスト最適化」がトップ

事業責任者が重視する要素TOP7
SaaS事業を成功させるために最も重視する点について、最大3つまで選択してもらいました。
【Q: SaaS事業を成功させるために、最も重視する点をお選びください(最大3つまで)】(n=550)
選択肢 | 割合 | 回答数 |
|---|---|---|
当てはまるものはない | 40.2% | 221名 |
インフラ運用コストの最適化 | 22.2% | 122名 |
MVP・本番リリースまでのスピード | 19.8% | 109名 |
LTV/NRR等の成功指標に基づく成長戦略 | 13.5% | 74名 |
スケーラブルな技術基盤の構築 | 13.1% | 72名 |
開発の内製化 | 11.8% | 65名 |
戦略から実装まで一貫支援できるパートナー | 11.6% | 64名 |
マルチテナント・セキュリティ対応 | 10.4% | 57名 |
コスト意識と開発スピードへの関心が高い
1位は「インフラ運用コストの最適化」(22.2%)でした。SaaS事業は継続的な運用が前提となるため、ランニングコストへの意識が高いことがうかがえます。
2位は「MVP・本番リリースまでのスピード」(19.8%)。市場投入のタイミングが競争優位性を左右するSaaS事業において、開発速度は重要な競争力です。
指標設計と技術基盤も重要視
「LTV/NRR等の成功指標に基づく成長戦略」(13.5%)、「スケーラブルな技術基盤の構築」(13.1%)も一定の支持を集めました。単なる開発だけでなく、事業成長を見据えた戦略的なアプローチが求められていることがわかります。
外部パートナーとの協業意向|約15%が半年以内に検討
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自社単独での推進を選択する企業も一定数
外部パートナーとの協業意向について調査しました。
【Q: SaaS事業の成功を実現するために、外部パートナーとの協業をどの程度考えていますか?】(n=550)
選択肢 | 割合 | 回答数 |
|---|---|---|
当てはまるものはない | 54.9% | 302名 |
自社単独で推進する予定 | 20.5% | 113名 |
すでに協業中・選定中である | 10.4% | 57名 |
半年以内に検討予定 | 9.1% | 50名 |
3ヶ月以内にパートナーを探す予定 | 5.1% | 28名 |
「すでに協業中・選定中」は10.4%、「3ヶ月以内」「半年以内」を合わせると24.6%が具体的にパートナー協業を検討しています。
一方、「自社単独で推進する予定」は20.5%。技術力のある企業やコスト意識の高い企業は、内製化を志向する傾向があると考えられます。
パートナー選定で重視すべき3つのポイント
外部パートナーを選定する際は、以下の観点が重要です:
- 戦略から実装までの一貫支援力:KPI設計から開発、運用まで伴走できるか
- サーバーレス等のモダン技術力:スケーラブルでコスト効率の高い基盤を構築できるか
- 内製化を見据えたナレッジ共有:ベンダーロックインを避け、自走できる体制を作れるか
調査から見える3つの示唆
1. 「指標設計」と「技術基盤」の両輪が必要
本調査から、SaaS事業の成功には「LTV/NRR等のKPI設計」と「サーバーレス等のスケーラブルな技術基盤」の両方が必要であることが示唆されました。しかし、両方を十分に整備できている企業は少数派です。
2. コスト最適化への関心は高いが、具体策は模索中
「インフラ運用コストの最適化」を重視する企業が最多でしたが、サーバーレス導入済みは7.5%に留まります。コスト削減の手段としてのサーバーレスの認知・導入はまだ発展途上といえます。
3. 外部パートナーの活用意向は約25%
約4社に1社がパートナー協業を具体的に検討しており、戦略から実装まで一貫支援できるパートナーへのニーズが存在します。
まとめ、SaaS事業成功への道筋
今回の調査で明らかになったのは、以下の3点です:
- SaaS事業に取り組む企業の約46%が開発・成長フェーズにある
- LTV/NRR等の指標を体系化・運用できている企業はわずか9.6%
- サーバーレス導入済みは7.5%、検討中を含めても22%に留まる
SaaS事業を成功させるためには、成功指標の設計から技術基盤の構築、そして継続的な改善サイクルの確立が不可欠です。
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調査概要
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:SaaS事業に関わる事業責任者
- 有効回答数:550名
- 調査時期:2026年1月
- 調査主体:Ragate株式会社















