事業の新たな柱となるサブスクリプション決済機能の短期開発支援

事業の新たな柱となるサブスクリプション決済機能の短期開発支援

支援実績 教育・リスキリング業界AWSサーバーレス
最終更新日:2025年10月22日公開日:2025年10月16日
水野 渚
writer:水野 渚
XThreads
課題
  • サブスクリプションモデルを実現するための決済機能開発が急務だった
  • 予定していた決済ツールが利用不可となり急遽フルスクラッチ 開発が求められた
  • マネタイズの機会損失を防ぐため、タイトな納期でのシステムリリースが必要だった
解決策
  • 既存の開発環境への深い理解に基づき、コミュニケーションコストを抑えて迅速な開発に着手
  • 事業方針の転換に伴う、開発途中のコンセプト変更にも柔軟かつ的確に対応
  • サーバーレスにて決済システムを無事完成させ、事業の新たな収益の柱を構築

急成長中の生成AI教育事業を展開する、株式会社インフラトップ様。事業の新たな柱となるサブスクリプションモデル確立のため、当社は決済機能の短期開発を支援しました。このプロジェクトの背景には、当初予定していた外部の決済ツールが急遽利用できなくなってしまうというアクシデントがありました。マネタイズの機会損失を一刻も早く解消するためにも、決済システムの自社開発が必須となったのです。

 この緊急事態に対し、ラーゲイトはインフラトップ様への深い理解を武器に、単なる開発に留まらない「伴走型支援」でプロジェクトを推進。開発途中の大幅なコンセプト変更も乗り越え、事業の成功に貢献しました。予期せぬトラブルをいかにして乗り越え、事業の成長を加速させたのか。その裏側にあった信頼関係とプロジェクト推進力について、前代表取締役の磯本昇汰様にお話を伺いました。

事業拡大の次なる一手に、予期せぬ壁が

「学びと仕事を通して、人生を最高の物語へ。」というビジョンのもと、教育・人材領域で事業を展開する株式会社インフラトップ様。「DMM 生成AI CAMP」ブランドを主軸に、生成AIという急成長市場で個人のスキル変革と企業のDX支援を力強く推進しています。

今回、決済機能開発プロジェクトの舞台となったのは、生成AIを実務で活用するための学習プラットフォーム「DMM 生成AI CAMP 学び放題」の運営を担う事業開発部です。同社が次の成長戦略として見据えていたのが、従来の買い切り型学習コンテンツに加え、安定した収益基盤となるサブスクリプションモデルの確立でした。その根幹を担うのが、新たな決済機能の実装です。

ところが、機能実装を間近に控えて、チームは予期せぬ壁に直面します。 

「当初は既存の外部ツールを利用して決済機能を実装する計画でした。ところが、さまざまな制約があり、そのツールが利用できないことが判明しました。サブスクリプションモデルは事業計画の要であり、代替はできません。急遽、決済機能を非常に短い期間で開発する必要に迫られました。」(磯本様)

しかし、社内の開発リソースは他事業のグロースに集中しており、まさに八方塞がりの状況。この危機を乗り越えるため、磯本様の頭に真っ先に浮かんだのは、ラーゲイトの存在でした。

「真っ先にラーゲイトが浮かんだ」と語る磯本様
「真っ先にラーゲイトが浮かんだ」と語る磯本様

決め手は「揺るぎない信頼」。危機的状況で迷わずラーゲイトを選択

「複数社を比較検討する時間的な猶予もありませんでしたし、何より『この状況を託せるのはラーゲイトさんしかいない』と、私の中では答えが決まっていました。」(磯本様)

株式会社インフラトップ様とラーゲイトは、直近で実施されたプロジェクト調査ですでに関係を築いていました。

「プロジェクト調査を通して、ラーゲイトさんが私たちのビジネスとシステムの両方を深く理解してくれていたことが、何よりの決め手です。通常なら環境の理解から始めなければならないところを、ラーゲイトさんとなら即座に本題に入ることができる。このスピード感と安心感には、ほかに代えがたい価値がありました。」(磯本様)

サービスはすでに無料トライアル期間として先行リリースされ、日々多くのユーザーが登録している状況でした。それはつまり、決済機能の実装が遅れる分だけ機会損失につながることを意味します。この要因の後押しもあり、事業の新たな柱を創出する重要なミッションは、速やかにラーゲイトの手に託されることになりました。

「この状況を託せるのラーゲイトさんしかいない」(磯本様)
「この状況を託せるのラーゲイトさんしかいない」(磯本様)

コンセプト変更にも即対応。単なる開発に留まらない伴走支援

プロジェクトは2025年6月にキックオフ。ラーゲイトは、株式会社インフラトップ様の内部事情を熟知している強みを最大限に活かし、開発をスタートさせました。しかし、タイトなスケジュールで進むプロジェクトに、さらなる試練が訪れます。

「開発の途中段階で、プロダクトのコンセプト自体に修正が入るという大きな変更がありました。事業としてはポジティブな変更でしたが、価格設定からデザイン、ユーザーの動線、退会・復活処理に至るまで、開発チームには無理を強いることになってしまいました。」(磯本様) 

通常であればプロジェクトの遅延にもつながりかねない、開発途中の大幅な方針転換。しかし、ラーゲイトの対応は磯本様の予想を超えるものだったといいます。

「この方針転換にあたって、実は、私自身は大変だったことはあまりなくて(笑)。なぜなら、ラーゲイトさんがこちらの事情を汲んで、柔軟に対応してくださったからです。元々コミュニケーションコストが低く、プロジェクトマネジメントも全面的にお任せできるという信頼感があったので、難しい局面でも安心して進行を見守ることができました。」(磯本様)

ラーゲイトは、WBS(作業分解構成図)をもとに実現可能なスケジュールを再提示し、ドキュメントやデザインツール(Figma)上での密な連携を通じて、二転三転する要件にも柔軟に対応。そして8月末、ついに新たな決済システムは無事リリースを迎えました。

「コミュニケーションコストが低く、プロジェクトマネジメントも全面的にお任せできるという信頼感があったので、難しい局面でも安心して進行を見守ることができました。」(磯本様)
「コミュニケーションコストが低く、プロジェクトマネジメントも全面的にお任せできるという信頼感があったので、難しい局面でも安心して進行を見守ることができました。」(磯本様)

事業の「新たな柱」が完成。変化の時代を共に乗り越えるパートナーへ

フルサーバーレスにより完成した決済システムにより、株式会社インフラトップ様は待望のサブスクリプションモデルを本格始動させました。これは同社のプロダクトラインナップに、新たな軸が加わったことを意味します。

 「これまで買い切り型の学習サービスが中心だったところに、安定した収益を生み出すサブスクリプションモデルが加わったことで、会員数の増加に向けた積極的な施策を打ち出せるようになりました。有料化後も会員数は順調に増え続けており、事業の『新たな柱』として大きな手応えを感じています。」(磯本様)

この成功の裏には、コンテンツの品質への自信があります。

「『DMM 生成AI CAMP 学び放題』では、AI専門メディアの元編集長や、MicrosoftでOpenAIへの投資に携わった人物がカリキュラム監修やセミナーを行っています。このように講師陣が充実していることは大きな強みと言えるでしょう。」(磯本様)

株式会社インフラトップ様は現在、組織がますます大きく変化していくフェーズにあります。その中で、ラーゲイトへの期待はますます高まっていると、磯本様は話します。

「複雑なシステムの課題や機能追加といったプロセスも、ぜひラーゲイトさんと一緒に乗り越えていきたい。最適な技術的判断を共に悩み、実行してくれるパートナーとして、これからも頼りにしています。」(磯本様)

最後に、事業の急成長や予期せぬトラブルといった、同様の課題を抱える開発責任者へのメッセージを伺いました。

「一番伝えたいのは、『最初からちゃんと要件定義をしよう』ということです。中長期的なリスクを考慮せず、曖昧なままプロジェクトを始めても、物にはなるかもしれません。ですが、それでは後々必ず誰かが大変な思いをします。今回のプロジェクトが成功したのは、ラーゲイトさんという信頼できるパートナーと、最初に『何をすべきか』をしっかり握れたからこそだと感じています。」(磯本様)

今回のプロジェクトは、結果として両社の信頼関係をより強固なものへと昇華させました。ラーゲイトはこれからも、株式会社インフラトップ様の挑戦に伴走し、その技術力で「人生を最高の物語へ。」というビジョンの実現を支え続けます。

株式会社インフラトップ 前代表取締役 磯本様(中) ラーゲイト株式会社 久保(右) ラーゲイト株式会社柳澤(左)
株式会社インフラトップ 前代表取締役 磯本様(中) ラーゲイト株式会社 久保(右) ラーゲイト株式会社柳澤(左)

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FAQ

よくあるご質問

A
開発途中での大幅なコンセプト変更に耐えられるプロジェクト体制を構築するには、三つの要素が不可欠です。第一に、開発パートナーが顧客の事業背景を深く理解していることです。表面的な要件だけでなく、変更の意図や事業的な意義を即座に把握できる関係性があれば、的確な代替案を迅速に提示できます。第二に、WBS(作業分解構成図)などを活用した柔軟なプロジェクトマネジメント体制です。実現可能なスケジュールを再提示し、影響範囲を可視化することで、関係者全員が現実的な判断を下せます。第三に、ドキュメントやデザインツール(Figmaなど)を通じた密な連携です。二転三転する要件に対しても、視覚的に共有できる環境があれば認識齟齬を防げます。これらが揃っていれば、価格設定からユーザー動線、退会・復活処理に至る広範な変更にも対応可能です。
A
サーバーレス構成による決済システム開発には、事業成長に直結する複数のメリットがあります。最も重要なのは、会員数の増減に応じた柔軟なスケーリングです。サブスクリプションモデルでは会員数の変動が大きくなりますが、サーバーレスであれば利用量に応じて自動的にリソースが調整されるため、過剰な初期投資を避けられます。また、サーバー管理の負担がなくなることで、本来注力すべきコンテンツの品質向上やマーケティング施策に経営資源を集中できます。運用コストの観点でも、従量課金制により無駄なコストが発生せず、事業の初期段階では特に経済的です。さらに、AWSなどのクラウドプラットフォームが提供するセキュリティやコンプライアンス基準を活用できるため、決済という機密性の高い機能でも安心して運用できます。
A
タイトな納期での開発において品質を維持するには、プロジェクト開始前の準備が成否を分けます。最も重要なのは、最初の段階で「何をすべきか」を明確に定義する要件定義のプロセスです。中長期的なリスクを考慮せず曖昧なまま着手すると、後々必ず誰かが大変な思いをします。要件が固まれば、開発パートナーとの認識のズレが最小化され、手戻りによる時間ロスを防げます。次に、既存システムへの深い理解です。今回のように既にプロジェクト調査などで関係を築いていれば、環境理解のフェーズを省略でき、その分を設計や実装の品質向上に充てられます。そして、プロジェクトマネジメントを全面的に信頼できるパートナーを選ぶことです。開発責任者が進行管理に時間を取られず、事業判断に集中できる体制が、結果として全体の品質向上につながります。
A
サブスクリプションモデルの導入は、単なる収益構造の多様化にとどまらず、事業戦略全体に大きな変化をもたらします。最も顕著なのは、安定した継続収益の確保です。買い切り型では売上が都度発生する一方で予測が困難ですが、サブスクリプションでは会員数に基づく収益予測が可能になり、積極的な施策を打ち出しやすくなります。これにより、会員数増加に向けたマーケティング投資の判断が容易になります。また、顧客との継続的な関係構築が前提となるため、コンテンツの品質向上へのインセンティブが高まります。専門性の高い講師陣の確保や、カリキュラムの継続的な改善など、長期的な価値提供に注力できます。さらに、退会率や継続率といった指標から顧客満足度を定量的に把握でき、プロダクト改善のPDCAサイクルを回しやすくなります。結果として、事業の「新たな柱」として持続的な成長基盤が確立されます。
A
長期的に信頼できる開発パートナーシップは、一朝一夕には構築できません。今回のケースでは、決済機能開発の前段階で実施されたプロジェクト調査が、信頼関係の基盤となりました。この初期の協業を通じて、開発パートナーは単なる技術仕様だけでなく、事業の方向性、組織の意思決定プロセス、既存システムの技術的負債まで深く理解する機会を得ていました。緊急事態が発生した際、複数社を比較検討する時間的猶予がない中でも迷わず選択できたのは、この蓄積された理解があったからです。重要なのは、小規模なプロジェクトや調査フェーズから始めて、相互理解を段階的に深めることです。その過程で、技術的な提案力だけでなく、事業視点での助言ができるか、コミュニケーションコストは低いか、プロジェクトマネジメント能力は信頼できるかを見極められます。こうした段階的な関係構築により、変化の激しい事業環境でも共に乗り越えられる真のパートナーシップが生まれます。再試行