【2025年調査】経営層を動かす生成AI提案術|承認を得るためのデータ活用とROI設計のポイント

最終更新日:2026年01月12日公開日:2026年01月12日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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生成AI導入の稟議が通らない、経営層の理解が得られない——そんな悩みを抱えていませんか?本レポートでは、505名への独自調査データを活用した経営層への効果的な提案方法を解説。「約4割が導入済み」「35%が投資拡大」といった市場データと、ROI設計のフレームワークで承認を勝ち取る方法を紹介します。

本レポートの調査対象者

セグメント

Q1. あなたのメインの所属部門を教えてください

〇 1.情報システム部
OR
〇 2.DX推進室

Q2. サービス・システム導入の決裁権があるか教えてください

〇 1.自分自身に決裁権がある
OR
〇 2.自分に決裁権はないが、製品・サービスの選定や起案を行っている
OR
〇 3.選定や起案は行わないが、意見出しや情報収集などで関与している

性別

総数

男性

女性

総数

506

393

113

(%)

100.0%

77.7%

22.3%

年齢

総数

15歳未満

15歳~19歳

20歳~29歳

30歳~39歳

40歳~49歳

50歳~59歳

60歳以上

総数

506

0

0

31

161

172

130

12

(%)

100.0%

0.0%

0.0%

6.1%

31.8%

34.0%

25.7%

2.4%

都道府県

総数

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

総数

506

22

2

2

1

1

3

10

5

5

3

29

26

110

46

6

3

2

2

3

4

5

18

33

5

1

9

58

21

5

1

1

2

4

8

3

5

10

3

2

15

3

2

1

1

1

4

(%)

100.0%

4.3%

0.4%

0.4%

0.2%

0.2%

0.6%

2.0%

1.0%

1.0%

0.6%

5.7%

5.1%

21.7%

9.1%

1.2%

0.6%

0.4%

0.4%

0.6%

0.8%

1.0%

3.6%

6.5%

1.0%

0.2%

1.8%

11.5%

4.2%

1.0%

0.2%

0.2%

0.4%

0.8%

1.6%

0.6%

1.0%

2.0%

0.6%

0.4%

3.0%

0.6%

0.4%

0.2%

0.2%

0.2%

0.8%

地域

総数

北海道

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

総数

506

22

19

224

76

100

18

20

27

(%)

100.0%

4.3%

3.8%

44.3%

15.0%

19.8%

3.6%

4.0%

5.3%

職業

総数

公務員

経営者・役員

会社員(事務系)

会社員(技術系)

会社員(その他)

自営業

自由業

専業主婦(主夫)

パート・アルバイト

学生

その他

総数

506

0

20

208

278

0

0

0

0

0

0

0

(%)

100.0%

0.0%

4.0%

41.1%

54.9%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

未既婚

総数

未婚

既婚

総数

506

158

348

(%)

100.0%

31.2%

68.8%

子供の有無

総数

子供有り

子供無し

総数

506

315

191

(%)

100.0%

62.3%

37.7%

「なぜ生成AIに投資すべきか」を説得力をもって伝える

「なぜ生成AIに投資すべきか」を説得力をもって伝える

「生成AIを導入したい」——その思いがあっても、経営層の承認を得られなければプロジェクトは前に進みません。調査では10.7%の回答者が「経営層や現場の理解が得られない」ことを課題として認識しています。

経営層を説得するには、「流行っているから」「競合が使っているから」ではなく、データに基づいた論理的な提案が必要です。

本レポートでは、Ragate株式会社が2025年12月に実施した505名への独自調査データを活用し、経営層への効果的な提案方法ROI設計のポイントを詳しく解説します。


調査概要

本調査は以下の条件で実施しました。

  • 調査期間:2025年12月11日〜
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:505名
  • 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)

経営層が気にする3つのポイント

経営層が気にする3つのポイント

経営層の関心事

生成AI導入の提案において、経営層は主に以下の3点を気にしています。

関心事

具体的な疑問

投資対効果(ROI)

投資に見合うリターンは得られるのか?

リスク

セキュリティ、コンプライアンスは大丈夫か?

競争力

導入しないことで競合に遅れを取らないか?

これらの疑問に対して、データと論理で明確に答えることが承認を得るための鍵です。


提案のフレームワーク

Step 1:市場動向の提示——「なぜ今か」を示す

活用すべきデータ①:導入状況

調査データから、約52.7%の企業が何らかの形で生成AIを導入済みであることが分かります。

導入状況

構成比

導入済み(正式導入〜PoC)

52.7%

検討・準備段階

19.0%

未導入・禁止

20.4%

その他・不明

7.9%

提案時の活用ポイント > 「市場調査によると、すでに過半数の企業が生成AIを導入済みです。当社が検討を先延ばしにすることは、競合に対する競争力低下を意味します。」

活用すべきデータ②:投資動向

調査データから、約30.5%の企業が生成AI投資を拡大予定であることが分かります。

投資意向

構成比

投資拡大派

30.5%

現状維持派

25.1%

縮小・見直し派

8.7%

未定・様子見

35.6%

提案時の活用ポイント > 「投資を縮小・凍結予定の企業はわずか2.4%であり、市場は生成AIへの投資を肯定的に評価しています。今投資を開始することで、先行者優位を獲得できます。」

活用すべきデータ③:全社導入企業の割合

調査データから、約15%の企業が全社規模で生成AIを正式導入しています。

提案時の活用ポイント > 「約7社に1社がすでに全社規模で生成AIを活用しています。当社も全社展開を視野に入れた戦略的な導入を進めるべきです。」


Step 2:ROI(投資対効果)の設計——「いくら儲かるか」を示す

ROI算出のフレームワーク

経営層が最も気にするのは投資対効果です。調査では17.6%が「ROI算出が困難」を課題として認識しています。

基本式

ROI = (効果金額 - 投資コスト) / 投資コスト × 100%

効果金額 = 工数削減効果 + 売上増加効果 + 品質向上効果
投資コスト = 初期導入費用 + 年間運用費用

活用領域別の効果試算

調査データに基づき、活用領域別の効果試算を行います。

活用領域

活用率

効果試算の考え方

情報収集・調査

39.2%

調査時間の短縮 × 人件費単価

システム開発

37.4%

開発工数の削減 × エンジニア単価

コンテンツ作成

30.9%

作成時間の短縮 × 人件費単価

議事録作成

28.1%

作成時間の短縮 × 会議数

問い合わせ対応

26.5%

対応件数 × 1件あたりの時間 × 自動化率

具体的な試算例

前提条件

  • 対象:情報システム部門(10名)
  • 主な活用:問い合わせ対応の自動化
  • 月間問い合わせ件数:500件
  • 1件あたり対応時間:15分
  • 人件費単価:5,000円/時
  • AI自動化率:70%

効果計算

# 年間効果金額
500件 × 70% × 15分 × 12ヶ月 × 5,000円/時 ÷ 60分
¥5,250,000/年

# 投資計算
初期導入費用:¥3,000,000
年間運用費用:¥1,200,000
年間総コスト:¥4,200,0001年目)

# ROI
1年目ROI = (5,250,000 - 4,200,000) / 4,200,000 = 25%
2年目以降ROI = (5,250,000 - 1,200,000) / 1,200,000 = 337%

提案時の訴求ポイント

「問い合わせ対応の自動化だけでも、1年目でROI 25%、2年目以降は337%の投資対効果が見込めます。」


Step 3:リスクへの対応策提示——「安全か」を示す

経営層が懸念するリスク

調査データから、企業が認識している主要なリスクは以下の通りです。

リスク

回答率

情報漏洩・セキュリティリスク

42.2%

ハルシネーション(出力精度)

35.2%

著作権・コンプライアンス

28.3%

リスク対策の提示

リスク

対策

セキュリティ

エンタープライズサービス(Azure OpenAI, Bedrock)の採用、利用ガイドラインの整備

ハルシネーション

RAGによる社内データ連携、人間によるレビュー体制

コンプライアンス

商用利用可能なサービス選定、法務部門との連携

提案時の活用ポイント > 「セキュリティ懸念には、Azure OpenAI ServiceやAmazon Bedrockなどエンタープライズ向けサービスを採用することで対応します。これらはデータの学習利用がなく、VPC接続による閉域網運用も可能です。」


Step 4:段階的なアプローチ提案——「どう進めるか」を示す

段階的導入のロードマップ

いきなり大規模投資を提案するのではなく、段階的なアプローチを提示することで、経営層の承認ハードルを下げます。

Phase

期間

投資規模

目的

Phase 1

2ヶ月

PoC実施、効果検証

Phase 2

3ヶ月

パイロット導入、ROI確認

Phase 3

6ヶ月

全社展開

提案時の活用ポイント > 「まずは小規模なPoCから開始し、効果を確認してから本格投資に進む段階的アプローチを提案します。Phase 1の投資は○○万円で、失敗した場合のリスクは限定的です。」


経営層向け提案資料の構成

経営層向け提案資料の構成

推奨構成

セクション

内容

ページ数目安

1. エグゼクティブサマリー

結論と推奨アクション

1ページ

2. 市場動向

調査データに基づく市場の現状

2ページ

3. 課題と機会

自社の現状課題とAI活用による解決

2ページ

4. 提案内容

具体的な導入計画

3ページ

5. 投資対効果

ROI試算と効果シミュレーション

2ページ

6. リスクと対策

想定リスクと具体的な対応策

2ページ

7. スケジュール

段階的な導入ロードマップ

1ページ

8. 次のステップ

承認後のアクション

1ページ

エグゼクティブサマリーの書き方

【エグゼクティブサマリー】

■ 結論
生成AIの全社導入を提案します。

■ 市場環境
- 52.7%の企業がすでに導入済み
- 30.5%が投資拡大を予定
- 縮小・凍結はわずか2.4%

■ 期待効果
- 年間約5,000万円のコスト削減
- 2年目以降ROI 300%以上

■ 投資額
- 初期導入:3,000万円
- 年間運用:1,200万円

■ リスク対策
- エンタープライズサービス採用でセキュリティ確保
- 段階的導入で投資リスクを最小化

■ 推奨アクション
Phase 1(PoC)の承認をお願いします。

よくある反論への対応

反論1:「まだ早いのでは」

対応 > 「市場データでは52.7%の企業がすでに導入済みであり、30.5%が投資拡大を予定しています。『早い』というより『標準』になりつつあります。様子見を続けることは、競合に対する遅れを意味します。」

反論2:「セキュリティが心配」

対応 > 「エンタープライズ向けサービス(Azure OpenAI, Amazon Bedrock)では、データの学習利用がなく、VPC接続による閉域運用も可能です。調査では7.5%の企業がAzure OpenAI、6.7%がBedrockを利用しており、セキュリティ要件の厳しい企業でも導入が進んでいます。」

反論3:「ROIが不明確」

対応 > 「本提案では具体的なROI試算を行っています。問い合わせ対応の自動化だけでも年間約500万円の効果が見込め、1年目でROI 25%、2年目以降は300%以上となります。まずはPoCで効果を検証し、確認が取れてから本格投資に進む段階的アプローチを採用します。」

反論4:「他に優先すべきことがある」

対応 > 「調査では35%の企業が生成AI投資を拡大予定であり、これは戦略的な投資と位置づけられています。他の施策との優先順位は検討が必要ですが、生成AIの導入を遅らせることによる機会損失(競争力低下、人材獲得への影響)も考慮すべきです。」


まとめ

本レポートでは、経営層への生成AI提案において以下のポイントを解説しました。

  • 市場データの活用:52.7%が導入済み、30.5%が投資拡大という事実で「なぜ今か」を説明
  • ROI設計:具体的な数値で投資対効果を提示
  • リスク対策:懸念に対する具体的な対応策を用意
  • 段階的アプローチ:PoCから始める低リスクな導入計画

経営層の承認を得るには、「感情」ではなく「データと論理」で説得することが重要です。本レポートの内容を参考に、説得力のある提案を作成してください。


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Ragate株式会社では、MBA保有者によるAI投資のROI可視化と経営層への説明資料作成まで支援いたします。バリューチェーン分析によりAI導入効果が最大化される領域を特定し、具体的な投資対効果のシミュレーションを実施します。

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