【2025年調査】PoC・試験運用から本番導入へ|12.5%の企業が直面する移行の壁と突破戦略

最終更新日:2026年01月12日公開日:2026年01月12日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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生成AIのPoC・試験運用までは進めたものの、本番導入への移行で足踏みしていませんか?

2025年最新調査によると、12.5%の企業がPoC段階に留まり、本格展開への道筋に悩んでいます。本記事では、52.7%の導入成功企業のデータを分析し、技術・組織・コストの3軸から移行を阻む壁とその突破戦略を解説。「PoC止まり」から脱却するための具体的アクションを提示します。

本レポートの調査対象者

調査概要

  • 調査期間:2025年12月11日〜
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:506名
  • 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)

セグメント

Q1. あなたのメインの所属部門を教えてください

〇 1.情報システム部

OR

〇 2.DX推進室

Q2. サービス・システム導入の決裁権があるか教えてください

〇 1.自分自身に決裁権がある

OR

〇 2.自分に決裁権はないが、製品・サービスの選定や起案を行っている

OR

〇 3.選定や起案は行わないが、意見出しや情報収集などで関与している

性別

総数

男性

女性

総数

506

393

113

(%)

100.0%

77.7%

22.3%

年齢

総数

20歳~29歳

30歳~39歳

40歳~49歳

50歳~59歳

60歳以上

総数

506

31

161

172

130

12

(%)

100.0%

6.1%

31.8%

34.0%

25.7%

2.4%

地域

総数

北海道

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

総数

506

22

19

224

76

100

18

20

27

(%)

100.0%

4.3%

3.8%

44.3%

15.0%

19.8%

3.6%

4.0%

5.3%

職業

総数

経営者・役員

会社員(事務系)

会社員(技術系)

総数

506

20

208

278

(%)

100.0%

4.0%

41.1%

54.9%

生成AIへの関心が高まり、多くの企業がPoC(概念実証)や試験運用に着手しています。しかし、「PoCは成功したのに、本番導入に踏み切れない」「試験運用から先に進まない」という声を多く耳にします。

本レポートでは、506名の情報システム部門・DX推進室担当者への調査データをもとに、PoC・試験運用段階の企業が直面する課題と、それを乗り越えて本番導入を実現した企業の戦略を分析します。

生成AI導入フェーズの現状|12.5%がPoC段階で足踏み

生成AI導入フェーズの現状

まず、企業の生成AI導入状況を導入フェーズ別に確認します。

導入フェーズ別の分布

調査結果によると、企業の生成AI導入状況は以下のように分布しています。

導入フェーズ

回答数

構成比

全社的に正式導入し活用を推進している

76

15.0%

一部の部門・プロジェクトに限定して正式導入している

127

25.1%

現在は試験運用(PoC)や試用期間中の段階である

63

12.5%

導入に向けて検討・情報収集を行っている段階である

45

8.9%

導入はしていないが個人の判断での利用を認めている

51

10.1%

セキュリティやリスクへの懸念から利用を全面的に禁止している

25

5.0%

特に検討しておらず利用も行っていない

78

15.4%

52.7%の企業が何らかの形で生成AIを導入済み(全社導入15.0%+部門限定25.1%+PoC段階12.5%)である一方、12.5%の企業がPoC・試験運用段階に留まっていることが明らかになりました。

「PoC止まり」問題の深刻さ

PoC段階の12.5%という数字は、一見すると少なく見えるかもしれません。しかし、導入済み企業(52.7%)の約4分の1がPoC段階であることを考えると、多くの企業が「PoC→本番」の移行に苦戦している実態が浮かび上がります。

検討・準備段階の企業(8.9%)を含めると、21.4%の企業が本番導入に至っていない状況です。この「移行の壁」を突破することが、生成AI活用の成否を分けるポイントとなっています。

PoC→本番移行を阻む3つの壁

PoC→本番移行を阻む3つの壁

調査では、生成AI導入における課題も明らかになりました。PoC段階から本番導入への移行を阻む主な要因を分析します。

課題の全体像

課題

選択率

回答数

情報漏洩・セキュリティリスクへの懸念

42.2%

213

出力精度の不確実性(ハルシネーション)への懸念

35.2%

178

著作権・コンプライアンスに関する法的な懸念

28.3%

143

従業員のリテラシー・スキル不足

24.9%

126

社内ルールやガイドラインの整備ができていない

19.4%

98

費用対効果(ROI)の算出や評価が難しい

17.6%

89

既存システムとの連携が技術的に難しい

14.3%

72

導入・運用にかかるコストが合わない

13.3%

67

経営層や現場の理解が得られない

10.7%

54

これらの課題を分析すると、PoC→本番移行を阻む壁は大きく3つのカテゴリに分類できます。

壁①:組織・ガバナンスの壁(19.4%)

社内ルール・ガイドラインの未整備が19.4%の企業で課題となっています。

PoCは限定的な環境で実施されるため、ルール整備が後回しになりがちです。しかし本番導入では、全社員が利用することを前提としたガイドライン策定が不可欠です。

具体的には以下の項目の整備が求められます:

  • 利用可能な業務範囲の定義
  • 入力データの取り扱いルール
  • 出力結果の確認・承認フロー
  • インシデント発生時の対応手順

壁②:ROI・コストの壁(17.6%+13.3%)

費用対効果の算出困難(17.6%)とコストの妥当性判断(13.3%)を合わせると、約31%の企業がコスト面で悩んでいます。

PoCでは「技術的に実現可能か」を検証しますが、本番導入の意思決定には「投資に見合う効果があるか」の証明が必要です。

特に以下の点がROI算出を困難にしています:

  • 生産性向上の定量化が難しい
  • 間接的な効果(品質向上、従業員満足度など)の測定
  • 長期的な効果と短期的なコストのバランス
  • 比較対象となるベースラインの設定

壁③:技術・システム連携の壁(14.3%)

既存システムとの連携困難が14.3%の企業で課題となっています。

PoCでは単体のAIツールで検証を行うことが多いですが、本番導入では業務システムとの統合が求められます。

  • 社内データベースとの接続
  • 認証・認可システムとの連携
  • ワークフローシステムへの組み込み
  • セキュリティ要件への対応

導入成功企業に学ぶ|3つの壁を突破する戦略

導入成功企業に学ぶ|3つの壁を突破する戦略

52.7%の導入成功企業のデータと、投資拡大を予定している企業(30.5%)の傾向から、移行成功のための戦略を導き出します。

投資拡大企業の動向

今後の予算・投資計画について、以下の傾向が見られました。

投資意向

構成比

回答数

投資拡大派(大幅拡大+ある程度拡大)

30.5%

154

現状維持派

25.1%

127

縮小・見直し派

8.7%

44

未定・様子見

35.6%

180

30.5%の企業が投資拡大を予定している一方、縮小・凍結はわずか2.4%に留まっています。これは、本番導入に成功した企業が着実に成果を上げ、さらなる投資を決断していることを示唆しています。

既存システム連携の技術的アプローチ

既存システム連携の技術的アプローチ

14.3%が課題とする「既存システムとの連携」については、以下の技術的アプローチが有効です。

まとめ、PoC→本番移行を成功させるチェックリスト

本調査から、PoC・試験運用から本番導入への移行を成功させるためのポイントが明らかになりました。

移行成功のチェックリスト

組織・ガバナンス面

  • [ ] 最小限の利用ガイドラインを策定したか
  • [ ] 責任者・推進体制を明確化したか
  • [ ] インシデント対応フローを整備したか

ROI・コスト面

  • [ ] ベースラインとなる現状工数を測定したか
  • [ ] PoC期間中の効果を定量化したか
  • [ ] 3年間のTCO試算を行ったか

技術・システム面

  • [ ] 既存システムとの連携方式を検討したか
  • [ ] セキュリティ要件を満たす構成を設計したか
  • [ ] 運用保守体制を計画したか

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PoC・試験運用から本番導入への移行でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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