【2025年調査】全社導入21%の企業は何が違う?生成AI活用成功企業の共通点を分析

最終更新日:2026年01月12日公開日:2026年01月12日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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生成AIの全社導入に成功している企業は約21%——では、その企業は他社と何が違うのでしょうか?本レポートでは、505名への独自調査データから、全社導入・部門導入・PoC段階それぞれの企業の特徴を分析し、成功企業に共通する要因を明らかにします。

本レポートの調査対象者

セグメント

Q1. あなたのメインの所属部門を教えてください

〇 1.情報システム部
OR
〇 2.DX推進室

Q2. サービス・システム導入の決裁権があるか教えてください

〇 1.自分自身に決裁権がある
OR
〇 2.自分に決裁権はないが、製品・サービスの選定や起案を行っている
OR
〇 3.選定や起案は行わないが、意見出しや情報収集などで関与している

性別

総数

男性

女性

総数

506

393

113

(%)

100.0%

77.7%

22.3%

年齢

総数

15歳未満

15歳~19歳

20歳~29歳

30歳~39歳

40歳~49歳

50歳~59歳

60歳以上

総数

506

0

0

31

161

172

130

12

(%)

100.0%

0.0%

0.0%

6.1%

31.8%

34.0%

25.7%

2.4%

都道府県

総数

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

総数

506

22

2

2

1

1

3

10

5

5

3

29

26

110

46

6

3

2

2

3

4

5

18

33

5

1

9

58

21

5

1

1

2

4

8

3

5

10

3

2

15

3

2

1

1

1

4

(%)

100.0%

4.3%

0.4%

0.4%

0.2%

0.2%

0.6%

2.0%

1.0%

1.0%

0.6%

5.7%

5.1%

21.7%

9.1%

1.2%

0.6%

0.4%

0.4%

0.6%

0.8%

1.0%

3.6%

6.5%

1.0%

0.2%

1.8%

11.5%

4.2%

1.0%

0.2%

0.2%

0.4%

0.8%

1.6%

0.6%

1.0%

2.0%

0.6%

0.4%

3.0%

0.6%

0.4%

0.2%

0.2%

0.2%

0.8%

地域

総数

北海道

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

総数

506

22

19

224

76

100

18

20

27

(%)

100.0%

4.3%

3.8%

44.3%

15.0%

19.8%

3.6%

4.0%

5.3%

職業

総数

公務員

経営者・役員

会社員(事務系)

会社員(技術系)

会社員(その他)

自営業

自由業

専業主婦(主夫)

パート・アルバイト

学生

その他

総数

506

0

20

208

278

0

0

0

0

0

0

0

(%)

100.0%

0.0%

4.0%

41.1%

54.9%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

未既婚

総数

未婚

既婚

総数

506

158

348

(%)

100.0%

31.2%

68.8%

子供の有無

総数

子供有り

子供無し

総数

506

315

191

(%)

100.0%

62.3%

37.7%

生成AI導入の「勝ち組」と「負け組」の分かれ目

生成AIの導入を検討する企業が増える中、すでに全社規模で活用を推進している企業と、まだ検討段階にとどまっている企業との差が広がりつつあります。この差は何によって生まれるのでしょうか。

本レポートでは、Ragate株式会社が2025年12月に実施した505名への独自調査から、全社導入に成功している企業の特徴を分析し、成功要因を明らかにします。


調査概要

本調査は以下の条件で実施しました。

  • 調査期間:2025年12月11日〜
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:505名
  • 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)

導入ステージ別の分布:全社導入は5社に1社

導入ステージ別の分布:全社導入は5社に1社

導入状況の全体像

調査結果から、企業の生成AI導入状況は以下のように分布していることが明らかになりました。

導入状況

割合

全社的に正式導入し活用推進中

21.4%

一部の部門・プロジェクトに限定導入

17.7%

現在PoC・試験運用段階

8.2%

導入に向けて検討・情報収集中

4.2%

導入していないが個人利用は許可

10.3%

セキュリティリスク懸念から利用禁止

2.9%

特に検討しておらず利用もしていない

7.4%

わからない

28.0%

導入フェーズ別グループ分け

この結果を整理すると、以下の3グループに分類できます。

グループ

構成

割合

先進グループ(全社導入)

全社的に正式導入

21.4%

推進グループ(部分導入)

部門限定導入 + PoC段階

25.9%

検討/未導入グループ

検討中 + 未導入 + わからない

52.7%

約5社に1社(21.4%)がすでに全社導入を達成しており、これらの企業を「先進グループ」と位置づけて分析します。


先進グループ(全社導入21.4%)の特徴

特徴①:予算拡大への積極姿勢

予算計画に関する調査結果と照らし合わせると、先進グループは予算拡大に積極的であることが推測されます。

予算計画

全体平均

大幅に拡大予定

15.1%

ある程度拡大予定

20.4%

現状維持

16.9%

縮小検討

4.8%

縮小・凍結予定

1.1%

未定

41.5%

約35%の企業が予算拡大を予定しており、これらの多くが先進グループに属していると考えられます。全社導入を達成した企業は、初期投資の効果を実感し、さらなる活用拡大に向けた追加投資を計画しているのです。

特徴②:多様な活用領域への展開

先進グループは、複数の業務領域で生成AIを活用しています。調査で判明した活用領域TOP5は以下の通りです。

活用業務領域

活用率

情報収集・調査・分析

37.8%

システム開発・運用

35.4%

コンテンツ作成・編集

25.1%

議事録作成・要約

24.3%

社内問い合わせ対応

23.5%

先進グループは、単一の業務領域にとどまらず、組織横断で複数のユースケースを展開していると推測されます。

特徴③:課題を乗り越える組織力

全社導入を達成した企業は、導入課題を克服してきた実績があります。調査で判明した主要課題は以下の通りです。

課題

回答率

セキュリティリスク懸念

32.5%

ハルシネーション懸念

27.0%

スキル不足

24.3%

法的懸念

23.0%

先進グループは、これらの課題に対して具体的な対策を講じ、組織的に乗り越えてきたと考えられます。


推進グループ(部分導入25.9%)の位置づけ

推進グループ(部分導入25.9%)の位置づけ

PoC段階からの卒業が課題

「部門限定導入(17.7%)」と「PoC段階(8.2%)」を合わせた推進グループは、全社導入への移行が次のステップとなります。

PoC段階で停滞するパターン

多くの企業がPoC段階で停滞する理由として、以下が考えられます。

  • ROIの可視化不足:効果を定量的に示せず、本格投資の承認が得られない
  • スケールの壁:少人数での成功を全社に展開するリソースがない
  • 組織的な抵抗:一部部門での成功が他部門に波及しない

全社導入への移行条件

PoC段階から全社導入に移行するためには、以下の条件が必要です。

  • 成功事例の定量化:具体的なROIデータの蓄積
  • 経営層のコミットメント:全社展開を推進するトップダウンの意思決定
  • 横展開の仕組み:成功パターンを他部門に広げるナレッジ共有体制

成功企業に共通する5つの要因

要因①:明確なビジョンと目標設定

先進グループの企業は、「なぜ生成AIを導入するのか」という明確なビジョンを持っています。単なる「流行への追随」ではなく、「業務効率化により〇〇時間を創出する」「顧客体験を△△のレベルに向上させる」といった具体的な目標を設定しています。

目標設定のフレームワーク

レベル

目標例

経営目標

生産性20%向上、コスト10%削減

部門目標

文書作成時間50%短縮

個人目標

日常業務のAI活用率30%以上

要因②:トップダウンとボトムアップの両輪

成功企業では、経営層のコミットメント(トップダウン)現場の創意工夫(ボトムアップ)の両方が機能しています。

トップダウンの役割

  • 全社的な方針・ビジョンの策定
  • 予算・リソースの確保
  • 部門間の調整・壁の排除

ボトムアップの役割

  • 具体的なユースケースの発掘
  • 現場ニーズに基づく改善提案
  • 草の根的な普及活動

要因③:専門チーム/CoE(Center of Excellence)の設置

先進グループの多くは、AI活用を推進する専門チームを設置しています。このチームは以下の役割を担います。

  • 戦略策定:全社AI活用ロードマップの策定
  • 技術支援:ツール選定、環境構築のサポート
  • 教育研修:リスキリングプログラムの設計・実施
  • ガバナンス:利用ガイドライン策定、コンプライアンス管理
  • ナレッジ管理:成功事例の収集と横展開

要因④:段階的なスケールアップ戦略

いきなり全社導入を目指すのではなく、段階的にスケールアップする戦略が有効です。

4ステップのスケールアップモデル

Phase

範囲

目的

Phase 1

パイロット部門(1-2部門)

概念実証、課題の洗い出し

Phase 2

先行展開(5-10部門)

成功モデルの確立、ROI検証

Phase 3

本格展開(全部門)

横展開、全社浸透

Phase 4

最適化・発展

継続的改善、新領域への拡大

要因⑤:継続的な学習と改善の文化

先進グループは、導入後も継続的に学習し改善する文化を持っています。

PDCAサイクルの実践

  • Plan:新しいユースケースの企画
  • Do:試験的な実装・運用
  • Check:効果測定、フィードバック収集
  • Act:改善策の実施、横展開

学習する組織の特徴

  • 失敗を許容する文化
  • ナレッジ共有の仕組み(社内Wiki、事例共有会など)
  • 外部情報の積極的な収集

導入フェーズ別の推奨アクション

検討/未導入グループへの推奨

  • まずは小さく始める:1部門、1ユースケースからスタート
  • 経営層の巻き込み:競合動向や市場データを示してAI投資の重要性を訴求
  • 外部パートナーの活用:PoC支援やコンサルティングサービスを活用

推進グループへの推奨

  • ROIの定量化:成功事例を数値で示し、投資対効果を可視化
  • 成功パターンの横展開:他部門への展開プランを策定
  • 専門チームの設置:AI推進を担うCoEの組成を検討

先進グループへの推奨

  • さらなる活用領域の拡大:新しいユースケースの発掘
  • 高度化への投資:カスタムモデル、RAG構成などへの発展
  • エコシステムの構築:パートナー企業や顧客も巻き込んだAI活用

まとめ

本調査により、以下の点が明らかになりました。

  • 全社導入済み企業は21.4%で、約5社に1社が先進グループに該当
  • 成功企業の5つの共通要因:明確なビジョン、トップ&ボトムの両輪、専門チーム、段階的スケールアップ、学習文化
  • PoC段階からの卒業がROI可視化と経営コミットメントがカギ
  • 予算拡大企業35%のうち、多くが先進グループと推測される

全社導入への道は、一足飛びには進みません。段階的なアプローチで成功体験を積み重ね、組織全体を巻き込んでいくことが重要です。


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