【2025年調査】技術系vs事務系で生成AI活用に格差?職種別データから見る活用実態と課題

最終更新日:2026年01月12日公開日:2026年01月12日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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自社の生成AI活用は職種によって偏っていませんか?本レポートでは、505名への独自調査から判明した技術系(45.2%)と事務系(22.8%)の活用格差を分析。システム開発領域37.4%の活用率が示す技術系優位の実態と、事務系部門がAI活用を加速させるための具体策を、データに基づいて解説します。

本レポートの調査対象者

セグメント

Q1. あなたのメインの所属部門を教えてください

〇 1.情報システム部
OR
〇 2.DX推進室

Q2. サービス・システム導入の決裁権があるか教えてください

〇 1.自分自身に決裁権がある
OR
〇 2.自分に決裁権はないが、製品・サービスの選定や起案を行っている
OR
〇 3.選定や起案は行わないが、意見出しや情報収集などで関与している

性別

総数

男性

女性

総数

506

393

113

(%)

100.0%

77.7%

22.3%

年齢

総数

15歳未満

15歳~19歳

20歳~29歳

30歳~39歳

40歳~49歳

50歳~59歳

60歳以上

総数

506

0

0

31

161

172

130

12

(%)

100.0%

0.0%

0.0%

6.1%

31.8%

34.0%

25.7%

2.4%

都道府県

総数

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

総数

506

22

2

2

1

1

3

10

5

5

3

29

26

110

46

6

3

2

2

3

4

5

18

33

5

1

9

58

21

5

1

1

2

4

8

3

5

10

3

2

15

3

2

1

1

1

4

(%)

100.0%

4.3%

0.4%

0.4%

0.2%

0.2%

0.6%

2.0%

1.0%

1.0%

0.6%

5.7%

5.1%

21.7%

9.1%

1.2%

0.6%

0.4%

0.4%

0.6%

0.8%

1.0%

3.6%

6.5%

1.0%

0.2%

1.8%

11.5%

4.2%

1.0%

0.2%

0.2%

0.4%

0.8%

1.6%

0.6%

1.0%

2.0%

0.6%

0.4%

3.0%

0.6%

0.4%

0.2%

0.2%

0.2%

0.8%

地域

総数

北海道

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

総数

506

22

19

224

76

100

18

20

27

(%)

100.0%

4.3%

3.8%

44.3%

15.0%

19.8%

3.6%

4.0%

5.3%

職業

総数

公務員

経営者・役員

会社員(事務系)

会社員(技術系)

会社員(その他)

自営業

自由業

専業主婦(主夫)

パート・アルバイト

学生

その他

総数

506

0

20

208

278

0

0

0

0

0

0

0

(%)

100.0%

0.0%

4.0%

41.1%

54.9%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

未既婚

総数

未婚

既婚

総数

506

158

348

(%)

100.0%

31.2%

68.8%

子供の有無

総数

子供有り

子供無し

総数

506

315

191

(%)

100.0%

62.3%

37.7%

生成AI活用は「技術者のもの」で終わってよいのか

生成AIの導入が進む中、「エンジニアはバリバリ使っているが、事務系部門はまだまだ」という状況は多くの企業で見られます。しかし、生成AIの真価は組織全体で活用してこそ発揮されるものです。一部の職種に活用が偏っている状態では、投資対効果の最大化は望めません。

本レポートでは、Ragate株式会社が2025年12月に実施した505名への独自調査から、職種別の生成AI活用実態を分析し、組織全体でのAI活用を推進するためのポイントを解説します。


調査概要

本調査は以下の条件で実施しました。

  • 調査期間:2025年12月11日〜
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:505名
  • 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)

回答者の職種構成:技術系が約半数を占める

職種別分布

調査回答者の職種構成は以下の通りです。

職種

回答数

構成比

会社員(技術系)

228

45.2%

会社員(事務系)

115

22.8%

会社員(その他)

63

12.5%

経営者・役員

42

8.3%

公務員

29

5.7%

その他

28

5.5%

技術系会社員が45.2%と最多を占め、次いで事務系会社員(22.8%)が続きます。情報システム部門・DX推進室を対象としたことが、技術系の比率が高い背景にあります。


活用領域データが示す「技術系優位」の実態

システム開発領域の活用率37.4%の意味

調査では、生成AIの活用領域として「システム開発・運用」が37.4%という高い活用率を示しました。

活用業務領域

活用率

情報収集・調査・分析

39.2%

システム開発・運用

37.4%

コンテンツ作成・編集

30.9%

議事録作成・要約

28.1%

社内問い合わせ対応

26.5%

クリエイティブ業務

17.2%

翻訳・外国語対応

15.0%

システム開発領域での活用率37.4%は、技術系職種が主導していることを強く示唆しています。一方、事務系職種に親和性の高い「コンテンツ作成・編集」(30.9%)や「議事録作成・要約」(28.1%)も一定の活用率を示しており、事務系への浸透も進んでいます。


技術系職種における生成AI活用の実態

開発者向けツールの利用状況

技術系職種における生成AI活用の中心は、開発支援ツールです。

ツール名

利用率

GitHub Copilot

11.1%

Cursor

6.3%

Kiro

1.6%

GitHub Copilotが11.1%でリードし、Cursor(6.3%)が急速に台頭しています。これらを合計すると、約19%の回答者が開発者向けAIツールを業務で活用しています。

回答者の約45%が技術系であることを考慮すると、技術者の約4割程度がAI駆動開発を実践していると推測されます。

技術系が活用しやすい理由

技術系職種でAI活用が進む背景には、以下の要因があります。

1. ツールの親和性:GitHub CopilotやCursorは開発環境に直接統合され、導入障壁が低い
2. 効果の可視化が容易:コード生成量や開発時間の短縮など、定量的な効果測定が可能
3. 試行錯誤の文化:新しいツールを試すことへの抵抗感が低い
4. 技術コミュニティの存在:ベストプラクティスの共有が活発


事務系職種における生成AI活用の現状と課題

事務系に適した活用領域

事務系職種が主に活用できる領域とその活用率は以下の通りです。

活用領域

活用率

事務系との親和性

コンテンツ作成・編集

30.9%

議事録作成・要約

28.1%

社内問い合わせ対応

26.5%

情報収集・調査・分析

39.2%

中〜高

翻訳・外国語対応

15.0%

コンテンツ作成(30.9%)、議事録作成(28.1%)、社内問い合わせ対応(26.5%)は、事務系職種が即座に効果を実感できる領域です。

事務系でAI活用が進まない理由

一方で、事務系職種でのAI活用には以下の課題があります。

1. プロンプトエンジニアリングスキルの不足

調査では24.9%が「従業員のリテラシー・スキル不足」を課題として認識しています。技術系と異なり、AIへの指示出し(プロンプト)の経験が少ない事務系職種にとって、「何をどう指示すればよいか」という入り口のハードルが高くなっています。

2. 業務への適用方法が不明確

「どの業務にAIを使えばよいか分からない」という声も多く聞かれます。技術系には「コード生成」という明確なユースケースがある一方、事務系は業務が多岐にわたるため、適用先の見極めが難しくなっています。

3. ツールの選択肢が多すぎる

ChatGPT、Gemini、Copilot for M365など、汎用ツールの選択肢が多く、「どれを使えばよいか分からない」状態に陥りやすいのが実情です。


職種間格差を解消するための3つのアプローチ

アプローチ1:職種別のユースケース集の整備

事務系職種向けに、「この業務にはこうAIを使う」という具体的なユースケース集を整備することが有効です。

職種・業務

ユースケース例

総務

社内規程FAQチャットボット、会議室予約の自動調整

人事

採用文面の下書き作成、面接記録の要約

経理

経費精算の問い合わせ対応、レポート作成支援

営業事務

見積書・提案書の下書き、議事録の自動生成

広報

プレスリリースの下書き、SNS投稿案の作成

アプローチ2:ノーコードAIツールの導入

DifyのようなノーコードAIツールを導入することで、プログラミングスキルがなくても社内AIアプリケーションを構築できます。これにより、事務系職種が自らの業務に特化したAI活用を実現できます。

調査ではDifyの利用率は5.5%にとどまっていますが、内製化志向の企業を中心に導入が進んでいます。

アプローチ3:部門横断のAI活用推進チーム

AI活用を技術部門だけに任せるのではなく、各部門の代表者を含む横断チームを組成することで、事務系職種のニーズを汲み取りながら活用を推進できます。


年代別の活用傾向:30代〜40代が中心

年代別分布

調査回答者の年代構成も、AI活用の傾向を示しています。

年代

回答数

構成比

20代

43

8.5%

30代

143

28.3%

40代

150

29.7%

50代

132

26.1%

60代以上

37

7.3%

30代〜40代が約58%を占めており、この世代がAI活用の中心となっています。一方、50代以上も約33%を占めており、シニア層へのリスキリング支援も重要な課題です。


組織全体でAI活用を推進するためのロードマップ

Phase 1:現状把握と目標設定(1ヶ月)

  • 職種別のAI活用状況を調査
  • 活用率の低い部門・職種を特定
  • 部門別の活用目標を設定

Phase 2:環境整備とツール選定(2ヶ月)

  • 全社共通の生成AIツールを選定
  • セキュリティガイドラインを整備
  • 部門別のユースケース集を作成

Phase 3:教育・研修の実施(継続)

  • プロンプトエンジニアリング研修の実施
  • 部門別の実践ワークショップ開催
  • 成功事例の共有会を定期開催

Phase 4:効果測定と改善(継続)

  • 部門別の活用率をモニタリング
  • ROIの定量化と可視化
  • 課題抽出と改善策の実施

まとめ

本調査により、以下の点が明らかになりました。

1. 技術系(45.2%)と事務系(22.8%)でAI活用に格差が存在し、システム開発領域(37.4%)の活用率が技術系優位を示唆
2. 事務系向けの活用領域(コンテンツ作成30.9%、議事録28.1%)も一定の浸透が進行中
3. 格差解消にはユースケース整備、ノーコードツール導入、横断チーム組成が有効
4. 30代〜40代が活用の中心であり、シニア層へのリスキリングも課題

生成AIの真価は、組織全体で活用してこそ発揮されます。職種間の格差を解消し、全社的なAI活用を実現することで、投資対効果を最大化してください。


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