【2025年調査】製品へのAI組み込み(AX)需要の実態|データ基盤整備からパートナー選定まで事業責任者550名の本音

最終更新日:2026年01月14日公開日:2026年01月14日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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自社プロダクトへの生成AI組み込み(AX:AI Transformation)を検討する企業が急増しています。

しかし、「データ基盤の整備状況」「AI実装の検討段階」「外部パートナーとの協働意向」は企業によって大きく異なるのが実態です。

本記事では、事業責任者550名を対象に実施した独自調査をもとに、AX推進における企業の現在地と課題を明らかにし、成功に向けた具体的なアプローチを解説します。

調査概要

  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査対象:事業責任者(経営者・役員・事業部長クラス)
  • 有効回答数:550名
  • 調査時期:2026年1月

AX(AI Transformation)とは

AX(AI Transformation)とは、自社プロダクトやサービスに生成AIを組み込み、顧客体験の向上や業務効率化を実現する取り組みを指します。単なるAI導入にとどまらず、ビジネスモデル全体の変革を伴う点が特徴です。

近年、ChatGPTやClaude、Geminiといった大規模言語モデル(LLM)の進化により、AXの実現可能性が大幅に高まっています。しかし、多くの企業がAXの必要性を認識しながらも、「何から始めればよいかわからない」という課題を抱えているのが現状です。


調査結果サマリー

1. プロダクトへのAI組み込みで期待する価値

事業責任者がプロダクトへのAI組み込みに期待する価値について調査したところ、以下の傾向が明らかになりました。

【AI組み込みで期待する価値(複数回答)】(n=550)

選択肢

割合

特になし/わからない

41.3%

業務自動化機能の追加

32.5%

ユーザー体験の向上・効率化

28.7%

データ分析・レコメンド機能

24.1%

カスタマーサポートの効率化

19.8%

新機能によるアピール

16.2%

競合プロダクトとの差別化

12.4%

注目すべきポイント

  • 「業務自動化機能の追加」が最も期待される価値として挙げられた
  • 一方で、「特になし/わからない」が41.3%と高い割合を示しており、AXの具体的なメリットが十分に伝わっていない現状が浮き彫りになった
  • 「競合プロダクトとの差別化」は12.4%と低く、現時点では差別化要因としてのAIの認識は限定的

2. データ基盤の整備状況

AX推進の基盤となるデータ環境の整備状況を調査したところ、多くの企業が課題を抱えていることがわかりました。

【データ基盤の整備状況】(n=550)

選択肢

割合

わからない

28.4%

データの蓄積自体がまだ十分でない

27.8%

データは蓄積しているがAI活用前提の整備はこれから

23.5%

データ基盤の設計・構築から着手したい

12.1%

AI活用を見据えたデータ基盤が整っている

8.2%

分析

  • AI活用を見据えたデータ基盤が「整っている」と回答した企業はわずか8.2%
  • 約7割の企業がデータ基盤の整備に課題を抱えている(「整備はこれから」「不十分」「着手したい」の合計)
  • 「わからない」という回答が28.4%を占め、データ基盤の重要性自体への認識が不足している可能性も示唆される

3. AI実装の検討状況

自社プロダクトへのAI実装がどの段階にあるかを調査しました。

【AI実装の検討状況】(n=550)

選択肢

割合

AI活用のアイデアはあるが実現方法が定まっていない

31.6%

やりたいことは明確だが具体的な設計はこれから

24.3%

わからない

19.8%

情報収集・検討を始めたばかり

12.8%

実装計画・アーキテクチャ設計が進んでいる

11.5%

考察

  • 具体的な設計段階にある企業は約36%(「設計進行中」+「設計はこれから」)
  • 約45%の企業がアイデアはあるものの実現方法に悩んでいる、または情報収集段階
  • この結果は、AXの技術的なハードルが依然として高いことを示唆している

4. ノーコードAI開発ツール「Dify」の認知度

近年注目を集めるノーコードAI開発プラットフォーム「Dify」の認知度を調査しました。

【Difyの認知度】(n=550)

選択肢

割合

今回初めて知った

72.4%

名前は知っているが利用したことはない

19.2%

利用したことがある

8.4%

示唆

  • Difyの認知度は27.6%にとどまり、市場への浸透はこれからという段階
  • 一方で、利用経験者が8.4%存在することは、先進的な企業ではすでに活用が始まっている証拠
  • ノーコードAI開発ツールの活用により、エンジニア不在でもAX推進が可能になる点は、多くの企業にとって朗報と言える

5. 外部パートナーとの協働意向

AX推進における外部パートナーとの協働状況・意向を調査しました。

【外部パートナーとの協働状況】(n=550)

選択肢

割合

自社単独で進む予定

38.9%

わからない

26.5%

半年以内に検討予定

15.6%

すでに協働中・選定中

11.8%

3ヶ月以内にパートナーを探す

7.2%

重要なインサイト

  • 約35%の企業が半年以内に外部パートナーとの協働を検討・実行予定
  • 「自社単独で進む予定」が38.9%と最も高いが、データ基盤やAI実装の課題を考慮すると、今後外部支援へのニーズが高まる可能性
  • パートナー選定においては、技術力だけでなく、戦略策定から内製化支援まで一気通貫で伴走できる能力が求められる

調査から見えたAX推進の課題

本調査から、企業がAX推進において直面する主要な課題が3つ浮かび上がりました。

【課題1】データ基盤整備の遅れ

AI活用を見据えたデータ基盤が整っている企業はわずか8.2%。多くの企業がデータの蓄積自体に課題を抱えており、AXの前提条件が整っていません。

解決の方向性

  • データ基盤の設計・構築から着手することを恐れない
  • AWS等のクラウドサービスを活用した効率的なデータ基盤構築を検討する

【課題2】実現方法の不透明さ

AI活用のアイデアはあるものの、具体的な実現方法が定まっていない企業が31.6%を占めています。技術選定やアーキテクチャ設計の知見不足が、AX推進のボトルネックとなっています。

解決の方向性

  • Dify等のノーコードAI開発ツールを活用し、技術的ハードルを下げる
  • PoC(概念実証)から始めて、小さく素早く検証を重ねる

【課題3】投資対効果の見極め困難

「わからない」という回答が各設問で20〜40%を占めており、AXへの投資対効果(ROI)を見極められていない企業が多いことが示唆されます。

解決の方向性

  • バリューチェーン分析によりAI導入効果が最大化される業務領域を特定する
  • ROIを定量的に可視化し、経営層への説明資料として活用する

AX推進を成功させる3つのステップ

調査結果を踏まえ、AX推進を成功に導くための具体的なステップを提案します。

【ステップ1】AX構想・戦略設計(1〜2ヶ月)

まずは、AI導入の全体像を構想することが重要です。MBA理論等を活用した戦略眼で、以下を明確化します。

  • バリューチェーン分析によるAI活用機会の特定
  • ROI可視化と投資対効果の試算
  • セキュリティ・ガバナンスリスクの評価
  • グランドデザインとロードマップの策定

【ステップ2】開発・検証(2〜3ヶ月)

ノーコードAI開発ツールを活用し、素早く価値検証を行います。

  • Dify等を活用したプロトタイプ開発
  • Amazon Bedrock等の最新LLMとの連携
  • RAG(検索拡張生成)環境の構築
  • PoC・MVPによる効果検証

【ステップ3】内製化・継続運用

AI開発スキルの内製化を進め、中長期的なコスト最適化を実現します。

  • ハンズオン形式の技術コーチングによるスキル移転
  • 最新LLM情報の定期キャッチアップ体制構築
  • 運用ドキュメントの整備と自走体制の確立

まとめ

本調査により、以下の実態が明らかになりました。

  1. AI組み込みへの期待は高いが、具体的なメリットの理解は不十分(「わからない」41.3%)
  2. データ基盤整備に課題を抱える企業が約7割を占める
  3. AI実装は検討初期段階の企業が多数(情報収集〜アイデア段階で約45%)
  4. ノーコードAI開発ツールの認知度は低いが、活用による技術ハードル低減が期待される
  5. 約35%が半年以内に外部パートナーとの協働を検討

AXは単なる技術導入ではなく、ビジネス変革のための戦略的な取り組みです。データ基盤の整備から始まり、適切なツール選定、そして内製化まで、段階的かつ計画的なアプローチが成功の鍵となります。


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AX実現伴走支援・Dify開発支援サービス
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