【2025年調査】AIプラットフォーム三国志|Amazon Bedrock・Azure OpenAI・Vertex AIの選定ガイド

最終更新日:2026年01月19日公開日:2026年01月19日
益子 竜与志
writer:益子 竜与志
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エンタープライズ向けAIプラットフォームの選定に迷っていませんか?

本レポートでは、505名への独自調査から判明したAzure OpenAI(7.5%)、Amazon Bedrock(6.7%)、Vertex AI(4.6%)の利用実態を分析。既存クラウド環境との親和性とセキュリティ要件から見た最適な選定ポイントを解説します。

本レポートの調査対象者

セグメント

Q1. あなたのメインの所属部門を教えてください

〇 1.情報システム部
OR
〇 2.DX推進室

Q2. サービス・システム導入の決裁権があるか教えてください

〇 1.自分自身に決裁権がある
OR
〇 2.自分に決裁権はないが、製品・サービスの選定や起案を行っている
OR
〇 3.選定や起案は行わないが、意見出しや情報収集などで関与している

性別

総数

男性

女性

総数

506

393

113

(%)

100.0%

77.7%

22.3%

年齢

総数

15歳未満

15歳~19歳

20歳~29歳

30歳~39歳

40歳~49歳

50歳~59歳

60歳以上

総数

506

0

0

31

161

172

130

12

(%)

100.0%

0.0%

0.0%

6.1%

31.8%

34.0%

25.7%

2.4%

都道府県

総数

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

総数

506

22

2

2

1

1

3

10

5

5

3

29

26

110

46

6

3

2

2

3

4

5

18

33

5

1

9

58

21

5

1

1

2

4

8

3

5

10

3

2

15

3

2

1

1

1

4

(%)

100.0%

4.3%

0.4%

0.4%

0.2%

0.2%

0.6%

2.0%

1.0%

1.0%

0.6%

5.7%

5.1%

21.7%

9.1%

1.2%

0.6%

0.4%

0.4%

0.6%

0.8%

1.0%

3.6%

6.5%

1.0%

0.2%

1.8%

11.5%

4.2%

1.0%

0.2%

0.2%

0.4%

0.8%

1.6%

0.6%

1.0%

2.0%

0.6%

0.4%

3.0%

0.6%

0.4%

0.2%

0.2%

0.2%

0.8%

地域

総数

北海道

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

総数

506

22

19

224

76

100

18

20

27

(%)

100.0%

4.3%

3.8%

44.3%

15.0%

19.8%

3.6%

4.0%

5.3%

職業

総数

公務員

経営者・役員

会社員(事務系)

会社員(技術系)

会社員(その他)

自営業

自由業

専業主婦(主夫)

パート・アルバイト

学生

その他

総数

506

0

20

208

278

0

0

0

0

0

0

0

(%)

100.0%

0.0%

4.0%

41.1%

54.9%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

未既婚

総数

未婚

既婚

総数

506

158

348

(%)

100.0%

31.2%

68.8%

子供の有無

総数

子供有り

子供無し

総数

506

315

191

(%)

100.0%

62.3%

37.7%

エンタープライズAI基盤の選択が競争力を左右する時代

生成AIの業務活用が本格化する中、多くの企業が「ChatGPTを直接使う」段階から「自社専用のAI基盤を構築する」フェーズへと移行しています。その際に重要となるのが、エンタープライズ向けAIプラットフォームの選定です。

Amazon Bedrock、Azure OpenAI Service、Google Vertex AI——3大クラウドベンダーが提供するこれらのプラットフォームは、セキュリティ、スケーラビリティ、既存システムとの統合性において、消費者向けサービスとは一線を画す価値を提供します。

本レポートでは、Ragate株式会社が2025年12月に実施した505名への独自調査から、エンタープライズAIプラットフォームの利用実態選定のポイントを詳しく解説します。


調査概要

本調査は以下の条件で実施しました。

  • 調査期間:2025年12月11日〜
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:505名
  • 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)

エンタープライズAIプラットフォームの利用実態

主要プラットフォームの利用率

調査結果から、エンタープライズ向けAIプラットフォームの利用状況は以下の通りです。

プラットフォーム

利用率

主なクラウド基盤

Azure OpenAI Service

7.5%

Microsoft Azure

Amazon Bedrock

6.7%

Amazon Web Services

Google Vertex AI

4.6%

Google Cloud

Azure OpenAI Serviceが7.5%でトップを獲得し、Amazon Bedrock(6.7%)、Vertex AI(4.6%)が続きます。合計すると、約18.8%の企業がエンタープライズAIプラットフォームを利用していることになります。

消費者向けサービスとの比較

同調査における消費者向けサービスの利用率と比較すると、その差が明確になります。

サービスタイプ

代表サービス

利用率

消費者向け

ChatGPT

46.3%

消費者向け

Gemini

30.9%

エンタープライズ

Azure OpenAI

7.5%

エンタープライズ

Bedrock

6.7%

エンタープライズ

Vertex AI

4.6%

消費者向けサービスが圧倒的な利用率を示す一方、エンタープライズプラットフォームはセキュリティ要件の厳しい企業本格的なAI基盤構築を目指す企業に選ばれています。


Azure OpenAI Service(7.5%):Microsoft環境との統合が強み

Azure OpenAI Serviceの特徴

約13社に1社がAzure OpenAI Serviceを利用しており、エンタープライズAIプラットフォームの中ではトップシェアを獲得しています。

利用可能なモデル

  • GPT-4o / GPT-4 Turbo / GPT-4
  • GPT-3.5 Turbo
  • DALL-E 3(画像生成)
  • Whisper(音声認識)
  • Embeddings(埋め込み)

強み

Microsoft環境との統合

  • Copilot for Microsoft 365とのシームレスな連携
  • Azure Active Directory(Entra ID)による認証統合
  • Power Platformとの連携

エンタープライズセキュリティ

  • データの学習利用オプトアウト保証
  • 日本リージョン(東日本・西日本)での運用
  • VNet統合によるプライベートアクセス

既存Azure投資の活用

  • Azure利用実績がある企業は追加契約なしで利用開始
  • 既存のセキュリティポリシーをそのまま適用

適している企業

  • Microsoft 365を全社導入している企業
  • Azureを主要クラウドとして利用している企業
  • Copilot for M365との統合を検討している企業

Amazon Bedrock(6.7%):マルチモデル戦略の本命

Amazon Bedrockの特徴

約15社に1社がAmazon Bedrockを利用しており、AWSユーザーを中心に浸透が進んでいます。

利用可能なモデル

  • Anthropic Claude(3.5 Sonnet / 3 Opus / 3 Haiku)
  • Meta Llama 3.1 / 3.2
  • Amazon Titan
  • Stability AI(画像生成)
  • Cohere(埋め込み)

強み

マルチモデルアクセス

  • 複数ベンダーのモデルを統一APIで利用可能
  • ユースケースに応じた最適モデルの選択
  • ベンダーロックインの回避

Claudeへの独占的アクセス

  • Anthropic Claudeの最新モデルに早期アクセス
  • 日本語性能に優れたClaude 3.5 Sonnetが利用可能

AWSエコシステムとの統合

  • Lambda、SageMaker、S3等との連携
  • 既存のIAMポリシーをそのまま適用
  • サーバーレスアーキテクチャでのコスト最適化

適している企業

  • AWSを主要クラウドとして利用している企業
  • マルチモデル戦略を採用したい企業
  • サーバーレスアーキテクチャを活用したい企業

Google Vertex AI(4.6%):Geminiとの統合が魅力

Vertex AIの特徴

Vertex AIの利用率は4.6%と、3プラットフォームの中では最も低いものの、Google Workspaceユーザーを中心に採用が進んでいます。

利用可能なモデル

  • Gemini 1.5 Pro / 1.5 Flash
  • Gemini 1.0 Pro
  • PaLM 2
  • Imagen(画像生成)
  • Embeddings

強み

Geminiの高度な機能

  • 100万トークンの超長文コンテキスト
  • マルチモーダル処理(テキスト・画像・動画)
  • グラウンディング(検索連携)機能

Google Workspaceとの連携

  • Gmail、Google Docs、Sheets等との統合
  • Gemini for Workspaceとの連携

機械学習プラットフォームとしての成熟度

  • AutoML、カスタムトレーニング機能
  • MLOpsパイプラインの構築支援

適している企業

  • Google Cloudを主要クラウドとして利用している企業
  • Google Workspaceをメインで利用している企業
  • 長文処理やマルチモーダル処理が必要な企業

3プラットフォームの徹底比較

機能・特徴比較表

観点

Azure OpenAI

Amazon Bedrock

Vertex AI

主要モデル

GPT-4o

Claude 3.5

Gemini 1.5

マルチモデル

△(OpenAI中心)

◎(複数ベンダー)

○(Google中心)

日本リージョン

◎(東日本・西日本)

◎(東京・大阪)

○(東京)

既存連携

M365/Azure

AWS全般

GWS/GCP

セキュリティ

従量課金

選定の判断基準

既存クラウド環境で選ぶ

既存環境

推奨プラットフォーム

Azure中心

Azure OpenAI Service

AWS中心

Amazon Bedrock

GCP中心

Vertex AI

マルチクラウド

Amazon Bedrock(マルチモデル優位)

利用したいモデルで選ぶ

優先モデル

推奨プラットフォーム

GPT-4o

Azure OpenAI

Claude

Amazon Bedrock

Gemini

Vertex AI

複数モデル

Amazon Bedrock

ユースケースで選ぶ

ユースケース

推奨プラットフォーム

M365連携

Azure OpenAI

サーバーレスAI

Amazon Bedrock

長文処理

Vertex AI(Gemini)

マルチモーダル

Vertex AI


セキュリティ要件への対応

調査結果:セキュリティ懸念が最大の課題

調査では42.2%が「情報漏洩・セキュリティリスク」を課題として認識しています。エンタープライズプラットフォームは、この懸念に対して以下の対策を提供します。

共通のセキュリティ機能

機能

Azure OpenAI

Bedrock

Vertex AI

データ非学習保証

プライベートエンドポイント

監査ログ

暗号化(保存・転送)

日本リージョン


導入コストの考え方

従量課金モデル

3プラットフォームとも従量課金(トークン単位)が基本です。

プラットフォーム

代表モデル

入力(1Kトークン)

出力(1Kトークン)

Azure OpenAI

GPT-4o

$0.005

$0.015

Bedrock

Claude 3.5 Sonnet

$0.003

$0.015

Vertex AI

Gemini 1.5 Pro

$0.00125

$0.005

※価格は参考値であり、変動する可能性があります

TCO(総所有コスト)の考え方

単純なAPI料金だけでなく、以下を含めた総合的な評価が重要です。

  • インフラ運用コスト
  • 開発・カスタマイズコスト
  • 人材育成コスト
  • 既存システムとの統合コスト

まとめ

本調査により、以下の点が明らかになりました。

1. Azure OpenAI(7.5%)がトップシェアで、Microsoft環境を持つ企業に選ばれている
2. Amazon Bedrock(6.7%)はマルチモデル戦略とAWSエコシステムが強み
3. Vertex AI(4.6%)はGeminiの高度な機能とGoogle連携が魅力
4. 選定の最重要基準は既存クラウド環境との親和性

エンタープライズAIプラットフォームの選定は、今後数年間のAI戦略を左右する重要な判断です。自社のクラウド戦略、セキュリティ要件、ユースケースを総合的に勘案し、最適な選択を行ってください。


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