オンラインセミナー「AI時代のシステム開発 要件定義から設計まで」参加報告!AI時代のシステム開発管理の各社の動向

最終更新日:2025年12月27日公開日:2025年12月27日
森木 李甫
writer:森木 李甫
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セミナー参加の背景と目的

本セミナーは、ITベンダー各社がシステム開発におけるAI活用戦略や最新ソリューションを紹介するということで、各社の動向を把握し、今後の自社でのAI活用やシステム開発の参考になればと思い参加しました。 具体的には、各社が開発・提供するAIツールやソリューションの機能や導入事例、どのような差別化戦略があるのかなどを調査し、自社が取り組むべき方向性や新たなビジネス機会の探索に繋げられればと期待しています。

セミナー概要

本セミナーは、AI技術が普及した現代において、事業や業務の変化が加速している状況を踏まえ、システム開発における要件定義から設計までのプロセスを効率化・高品質化するためのポイント(主に各社開発のツールの紹介)を解説するものです。

開催概要

日時:2025年10月28日(火) 12:00~13:00

場所:オンライン開催           

テーマ

AI時代のシステム開発 要件定義から設計まで

内容

  • 各社のシステム開発支援AIツールの紹介
  • 最新ソリューション
  • 事例紹介

講演者

  • 株式会社システムインテグレータ
    PS営業部 マネージャー 吉田 様
  • 株式会社Atsumell
    代表取締役兼CEO 山口 様
  • 株式会社スリーシェイク
    Reckoner事業部 セールスチーム 砂﨑 様
  • 株式会社FAKE
    代表取締役 高橋 様

セミナーで得られた主なトレンド

セミナー全体を通して、以下のトレンドが印象的でした。

AIによる業務効率化

多くの企業が、AIを活用して業務効率化を実現するソリューションを提案していました。特に、RAG(検索拡張生成)やAIエージェントを活用することで、システム開発における情報整理や共有を効率化し、開発者がより創造的な業務に集中できるようになるという事例が多く紹介されていました。

また、各社が開発するシステム開発に特化した管理システムは、資料や書類の一元管理を実現し、AIによる分析を可能にすることで、更なる業務効率化に繋がるという点が強調されていました。

デザインドリブンな開発の推進

AIを活用したデザインドリブンな開発を推進する事例が紹介されていました。UI/UXデザインから開発までを担うFAKE社は、プロトタイプ段階からAIを活用し、デザインを先行させるアプローチを特徴としています。 AIによって従来の役割分担にかかるコストを削減し、チーム全員がマルチプレーヤーとして機能する体制を構築することで、より迅速かつ柔軟な開発を実現しています。

AI人材育成の重要性

AI技術の導入が進む一方で、AI人材の教育が課題となっています。セミナーでは、AI人材育成の重要性が強調されており、企業が主体的にAI人材を育成するための取り組みが紹介されていました。 今後は、AI人材育成のための教育プログラムや研修制度を整備することが、企業の競争力強化に不可欠になると考えられます。

各社の取り組み事例

セミナーに参加した企業の中から、特に印象に残った企業の取り組み事例を紹介します。

株式会社システムインテグレータ

紹介ツール概要

タスク・進捗管理に加え、リアルタイムな原価管理や収益認識基準への対応により、プロジェクトの利益最大化を支援する。

プロジェクトマネジメントの分野でAIを活用したサポートツールや研修プログラムを提供されています。プロジェクトの品質向上やリスク管理に貢献するツールとなっているようです。 同社では、PM知識の基準をPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)に定め、体系化されたベストプラクティスを習得するようにしているとのことです。また、可視化ツールで得られた情報を元にナレッジ共有とOJTを徹底して実施しているということで、PM教育についての相談も受け付けているようでした。データに基づいた課題提起と解決策が示されており、説得力のある内容でした。

株式会社Atsumell

紹介ツール概要

AIが要件定義書を自動生成し、既存のドキュメントとの整合性をチェック。Word、PPT、Excelなど、様々な形式のドキュメントを一元管理。

AIを活用して、要件定義の効率化や仕様書の品質向上に貢献していました。AIが仕様書をレビューしたり、関連資料を検索したりすることで、要件定義にかかる時間を短縮し、より高品質な仕様書を作成するという取り組みが紹介されていました。 こちらのツールは「Wordのようなドキュメント」、「PPTのようなホワイトボード」、「Excelのような表形式」を取り揃え、すべてのシステム開発に関わる資料を相互連携しながら一元管理できる、というところが実用的で魅力的に感じられました。

株式会社スリーシェイク

紹介ツール概要

ノーコードでデータの集約・加工・連携を簡単に実行できるクラウド型ETL(データ連携)ツールです。kintoneやSalesforceなど100種類以上のSaaS連携に対応し、現場主導のデータ活用とデータの民主化を支援します。

ノーコードETLツールを提供し、データ活用の民主化を支援していました。エンジニアでなくてもデータ連携が可能になるため、ビジネス部門が主体的にデータ活用を進めることができるという点がポイントのようです。

株式会社FAKE

「デザインドリブン」という思考を掲げ、新規事業の立ち上げからグロース、DX推進に至るまで、戦略立案、UI/UXデザイン、システム開発をワンストップで支援するコンサルティングファームです。プロトタイプからデザイン思考を取り入れ、ユーザー視点でのAI開発を推進していました。AIを活用したプロトタイピングツールを開発し、ユーザーのフィードバックを早期に収集することで、よりユーザーに寄り添ったAIプロダクトを開発するという取り組みが紹介されていました。

まとめ

今回のセミナーでは、AI技術を活用したシステム開発支援、特にPM/PMO業務の効率化に焦点を当てた各社の取り組みについて、有益な情報を得ることができました。

システム開発における課題

  • IT人材の不足
  • プロジェクトの失敗率が高い
  • PM/PMO人材の不足と業務の属人化
  • 品質リスクの可視化
  • 管理方法の標準化

(出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 報告書概要版|経済産業省

他社の動向

  • 課題解決のために、各社がシステム開発ライフサイクル全般を支援するAIツールを開発・提供している。
  • 特に、要件定義、設計、テストといった上流工程や、プロジェクト管理、リスク管理といったPM/PMO業務を効率化するAIツールが注目されている。
  • 各社は、自社の強みや得意分野を活かし、独自のAIツールを開発することで、差別化を図っている。

所感

今回のセミナーでは、各社がシステム開発に特化した管理システムを開発し、その優位性を訴求している点が印象的でした。

現状、システム開発における管理ツールは複数にわたり、情報が分散してしまうことが課題となっています。

各社が開発している管理システムは、これらの情報を一元化し、AIによって分析することで、より効率的なプロジェクト管理を実現できると考えられます。 今後は、これらの管理システムを導入することで、システム開発の効率化や品質向上に貢献できる可能性が考えられます。

また、自社においても、これらの管理システムの導入や、自社独自の管理システム開発を検討していく必要があると感じました。

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