幼少期の「人工知能を創りたい」という衝動が、今の自分をつくった話

幼少期の「人工知能を創りたい」という衝動が、今の自分をつくった話

最終更新日:2025年11月03日公開日:2025年11月03日
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小学生の頃、デジモンやロックマンを見ながら「将来、人工知能を創る!」と本気で思っていた。鏡文字を書き続けたり、集団行動ができなかったりと、ちょっと変わった子どもだった僕が、なぜ今こうして技術と経営の現場に立っているのか。その原点と、そこから学んだことを書いてみようと思います。

変わり者だった幼少期と、テレビアニメへの憧れ

僕は幼少期、かなり変わった子どもでした。鏡文字をずっと書いてしまったり、集団行動が一切できなかったり、問題行動が目立っていたタイプです。自然の中で過ごしたり、好きなアニメを見たり、自分の世界に浸かることが多かった。

当時、テレビでは「デジモンアドベンチャー」や「ロックマン」といった、人工知能やAIとの共存を描いたアニメが人気でした。僕はそういった作品に登場する人工知能に、なぜか強い憧れと興味を持っていました。理由はよく分からない。ただ、そのキャラクターたちが持つ知性や、人間とは違う思考の仕方に惹かれていたんだと思います。

デジモンアドベンチャー無印。この後の02、テイマーズまで熱中した。
デジモンアドベンチャー無印。この後の02、テイマーズまで熱中した。
近所の子供たちの間で流行った。ゲームボーイアドバンスでプレイしていて、ケーブルか何かを繋いで対戦もした。テレビアニメも見た記憶がある。
近所の子供たちの間で流行った。ゲームボーイアドバンスでプレイしていて、ケーブルか何かを繋いで対戦もした。テレビアニメも見た記憶がある。

中学生で爆発した「人工知能を創りたい」という衝動

その興味は中学生になって一気に爆発しました。「将来、人工知能を創る!」と本気で思い、高校は情報技術科に進学することを決めました。周囲から見れば謎のムーブだったかもしれませんが、自分の中では一本の線がつながった瞬間でした。

高校ではひたすらプログラミングに没頭しました。C言語を学び、コードを書き続ける日々。その時間が、今の自分の基礎をつくったと言えます。技術に対する興味と情熱が、この時期に確固たるものになっていきました。

社会人初期は営業職。でもそれが今の強みになった

高校卒業後、すぐに就職しましたが、最初の会社での仕事はほぼ営業職でした。技術を極めたくて情報技術科に進んだのに、実際の業務は営業。正直、最初は戸惑いもありました。

でも今振り返ると、この経験は非常に幸運でした。20歳くらいから本格的に技術を学び、実践し、極めていくことになるわけですが、それまでの営業経験で顧客折衝や対人スキルを身につけることができた。結果として、技術力と営業力を兼ね備えた、ソリューション営業的なスキルセットを獲得できたんです。

技術だけでは顧客の課題は解決できません。顧客が何に困っているのか、どうすれば価値を届けられるのか。それを理解し、言語化し、提案する力。これは営業職で培った財産です。技術と経営、両方の視点を持てるようになったのは、この時期の経験があったからだと思っています。

動機なんてくだらなくていい。大事なのは継続できるか

ここまで書いてきて思うのは、何かを始める動機なんて、本当にくだらないもので構わないということです。「好き」とか「面白そう」とか、それくらいで十分。僕の場合も、アニメを見て「人工知能を創りたい」と思っただけです。深い理由なんてありませんでした。

大事なのは、それが自分に合うかどうか。そしてそれは、やってみて継続できるかどうかで決まります。継続の原動力は情熱です。だから、継続できている時点で、それはきっとあなたに向いているんだと思います。

僕はプログラミングを続けられました。技術を学び続けることができました。それは、幼少期に感じた「人工知能への憧れ」という小さな火種が、今も消えずに燃え続けているからです。

一つをやり抜いた経験は、必ず財産になる

何でもいいから、何か一つをやり抜いた経験は、非常に大きな財産になります。それはプログラミングでなくてもいい。格闘技でも、音楽でも、料理でも、何でもいい。一つのことを続け、深め、自分なりの形にする。その過程で得られる学びや自信は、他のどんな分野にも応用できるものです。

僕は今、Ragate株式会社を経営し、顧客の課題解決に取り組んでいます。最先端の技術を活用し、未来志向で社会や市場にインパクトを与えることを考えています。その根っこには、幼少期に感じた「人工知能を創りたい」という衝動があり、高校時代にプログラミングに没頭した経験があり、社会人初期に営業で培った対人スキルがあります。

すべてがつながっています。動機はくだらなくてもいい。大事なのは、それを続けられるかどうか。そして、続けた先に何を見るか。それが今の自分をつくり、これからの未来をつくっていくんだと思います。

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