ITコンサルタント・PMOメンバーによる伴走型支援の実績

レガシーな顧客データ管理システムを モダナイズ・SaaS内製化見据えた クラウド基盤構築を支援

水野 渚
水野 渚 パートナー・バックオフィスマネージャー
XThreads
本日公開 支援実績 マーケティング業界SaaSモダナイズAWS
最終更新日:2026年09月18日公開日:2026年09月18日
課題
  • 社内スタッフが操作するレガシーな顧客データ管理システムと手作業・紙ベースの工程を、顧客が直接利用できるサービスへ転換する必要があった
  • 全国約1,000万件の法人データと独自の営業ノウハウを、保有資産にとどめず顧客への提供価値へ変える基盤が求められた
  • 既存の複雑なビジネスロジックを継承しながら、利用規模の拡大と自社主導の継続改善に対応する必要があった
解決策
  • 企業検索・リスト取得・FAXDM配信までを顧客が自ら完結できるクラウド型法人営業支援サービス「MIDAS」へ刷新
  • データ資産と営業ノウハウをサービス価値へ変換する、安定性・拡張性の高いクラウド基盤を構築
  • 既存ロジックを最適化して継承し、技術提案・アドバイスを通じて内製化を見据えた継続的な運営・改善を支援

全国約1,000万件の法人情報データベースとマーケティングノウハウを強みに、企業の新規顧客開拓を多角的に支援する株式会社シーオン様。

本プロジェクトが目指したのは、既存システムをクラウドへ移すことでも、SaaSをつくって完成とすることでもありません。社内で蓄積してきた法人データ、営業ノウハウ、ビジネスロジックを自社固有の価値として再設計し、顧客が直接利用できる事業基盤へ変えることでした。

ラーゲイトは、既存の顧客データ管理システムに蓄積された資産を継承しながら、顧客が企業検索からリスト取得、FAXDM配信までを自ら完結できるクラウド型法人営業支援サービス「MIDAS(ミダス)」への刷新を支援。さらに、SaaS化をゴールとせず、シーオン様が事業環境や顧客ニーズに合わせてサービスを自社主導で進化させ続けられるよう、内製化を見据えたクラウド基盤を構築しました。本プロジェクトの取り組みについて、株式会社シーオンの代表取締役社長 久野様にお話を伺いました

株式会社シーオン 代表取締役社長 久野様
株式会社シーオン 代表取締役社長 久野様

SaaSを導入するのではなく、自社の強みそのものをSaaSに

法人データベースを基盤に、企業リストの提供やFAXDMによる販促支援など、ダイレクトマーケティング領域で高い実績を重ねてきたシーオン様。従来は、社内スタッフが顧客データ管理システムを操作し、手作業や紙ベースの工程を挟みながら、顧客の条件に応じた法人データを提供する運用が中心でした。

一方、顧客の営業活動では「新規顧客を開拓したいがアプローチ先が分からない」「リスト作成やアプローチに膨大な時間がかかる」といった課題がありました。こうした課題を本質的に解決するため、シーオン様は社内で行っていたデータ管理・提供業務を、顧客自身が利用できるサービスへ転換することを決断しました。

その取り組みとして誕生したのが、画面上で業種・地域・企業規模などの条件を指定してターゲット企業を抽出し、リスト取得からFAXDM配信までを一元的に完結できるクラウド型法人営業支援サービス「MIDAS」です。社内スタッフが処理を代行する従来型の運用から、顧客が自ら条件指定、ターゲット抽出、リスト取得、配信までを行えるサービスへ刷新しました。

ここで重視したのは、既存の機能を単にクラウド上へ移すことではなく、シーオン様にしかないデータと業務ノウハウをサービスの中核に据えることでした。SaaS化はゴールではなく、顧客への提供価値を自社で更新し続けるための起点です。そのため、全国約1,000万件の法人データをストレスなく処理・検索できる性能と、利用企業やデータ量の増加、将来の機能拡張に対応できるシステム全体の再設計が必要でした。

今回開発を担当させていただいた「MIDAS」のサービスページ
今回開発を担当させていただいた「MIDAS」のサービスページ

レガシーを捨てず、競争力として再設計する

長年社内で運用してきた顧客データ管理システムには、シーオン様独自の営業ノウハウや複雑な処理ロジックが蓄積されていました。モダナイズにあたっては、これらを古い仕組みとして切り離すのではなく、事業を支える資産として読み解き、新しいサービスへ継承する必要がありました。

同時に、法人データベースを活用した企業検索、リスト抽出、FAXDM配信予約など、多岐にわたる機能を一つのサービスへ統合し、大量データを扱う環境でも安定性とレスポンス性能を維持することが求められました。さらに、将来的な利用企業数、データ量、処理件数の増加を見据え、継続的な拡張に耐えられるアーキテクチャを設計・構築・運用するための専門的な知見も必要でした。

「自社内だけでクラウドインフラやシステムアーキテクチャを最適化するには限界があり、高度な技術力を持つ専門パートナーの力を借りる必要がありました。」(久野様)

そこでシーオン様は、複数社の提案内容を比較し、既存資産の継承とクラウドネイティブな再設計をともに進める技術パートナーを選定しました。ラーゲイトが選ばれた決め手は、久野様いわく「技術的な対応力と、将来像まで見据えた提案力の高さ」でした。

ラーゲイトは、既存のソースコードを単なる刷新対象として扱うのではなく、シーオン様の事業ノウハウが組み込まれた資産として解析。複雑なビジネスロジックを読み解き、新システムへ踏襲・最適化する具体的なアプローチを提示しました。さらに、AWSをはじめとするクラウド基盤構築の実績をもとに、大量の法人データを効率的に処理・検索できる、安定性と拡張性を備えたアーキテクチャを提案しました

「単に提示した仕様を形にするだけでなく、将来的な利用規模やデータ量の増加まで考慮した設計・提案をしていただけたことが、ラーゲイトさんに依頼してよかったと感じる点ですね。」と語る久野様
「単に提示した仕様を形にするだけでなく、将来的な利用規模やデータ量の増加まで考慮した設計・提案をしていただけたことが、ラーゲイトさんに依頼してよかったと感じる点ですね。」と語る久野様

完成して終わるSaaSから、内製で育て続ける事業基盤へ

ラーゲイトは、完成時点の仕様にサービスを固定するのではなく、シーオン様が継続的に運営・改善しやすい構成を重視しました。将来的な利用企業やデータ量の増加を見据えてシステム全体の構成とデータ処理の仕組みを整理し、既存資産を生かしながら、自社主導で価値を更新していけるクラウド基盤へ再構築しました。

1,000万件の法人データを効率的にインデックス化・検索できる環境を整備し、企業検索からリスト生成、FAXDM配信までのスムーズな連携を実現。顧客が必要な条件を指定し、自ら営業リストを取得・活用できるサービス基盤を確立しました。

また、従来発生していた紙ベースの運用や、与信確認・外部API連携における人の手を介する作業をシステム化しました。これにより、手作業によるエラーを抑え、顧客が必要なタイミングでサービスを利用できる、安定した提供体制へとモダナイズしています。

「当社側だけでは判断が難しい技術的な部分について、ラーゲイトさんに専門的な見地から提案やアドバイスをいただき、非常に助かりました。開発の過程で発生したさまざまな課題にも、コミュニケーションを取りながら柔軟にご対応いただけたため、安心してプロジェクトを進められました。」(久野様)

ラーゲイトの役割は、システムを構築して引き渡すことだけではありません。専門的な提案・アドバイスと密なコミュニケーションを通じ、シーオン様が自社内で技術的な判断を行い、サービスの運営・改善を主体的に進められる状態を見据えて伴走しました。これにより、SaaSを一度つくって終えるのではなく、自社のデータとノウハウを生かして価値を更新し続けるための、内製化の土台が整いました。

データとAIで、サービス価値を更新し続ける

シーオン様は、今回モダナイズしたクラウド基盤を足がかりに、「MIDAS」のさらなる進化を目指しています。

「今後、データベースや検索機能の拡充はもちろん、AIなどの新しい技術も積極的に取り入れていきたいと考えています。企業ごとに『どの企業にアプローチすべきか』をより高精度に提案できる仕組みを構築し、新規顧客との新しい出会いを増やして企業の成長に貢献していきたいですね。」(久野様)

こうした展望の実現にあたり、同社はラーゲイトとの継続的なパートナーシップに期待を寄せています。

「ラーゲイトさんには、ともに事業成長を目指す技術パートナーとして今後も伴走していただきたいです。AIの活用や効率的なデータ利用の仕組みについて、私たちが気付けないような技術的な可能性や改善点を積極的に提案していただきながら、MIDASをより価値のあるサービスへと成長させていきたいと思っています。」(久野様)

本プロジェクトが示したのは、SaaS化そのものが目的ではないということです。企業固有のデータと業務ノウハウを中核に置き、変化に合わせて自ら更新し続けられる基盤こそが、サービスの競争力を支えます。「導入して終わるSaaS」から、「自ら育てる事業基盤」へ。ラーゲイトは、シーオン様がMIDASの価値を継続的に高めていけるよう、クラウド・開発技術と内製化支援の両面から伴走していきます。

ラーゲイト ITコンサルティング部長柳澤(左)、本プロジェクトマネージャー要(中)、株式会社シーオン 代表取締役社長 久野様(右)
ラーゲイト ITコンサルティング部長柳澤(左)、本プロジェクトマネージャー要(中)、株式会社シーオン 代表取締役社長 久野様(右)

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FAQ

よくあるご質問

A
はい、相談可能です。現行システムの構成や業務フロー、保有データ、既存のソースコードやビジネスロジックを整理し、継承すべき資産と刷新すべき領域を見極めます。単純なクラウド移行ではなく、社内向けシステムを顧客が直接利用できるサービスへ転換し、将来の機能拡張や継続改善まで見据えて再設計します。
A
はい、可能です。既存のソースコードを一律に廃棄するのではなく、事業ノウハウが組み込まれた重要な資産として解析し、新しいシステムへ継承・最適化します。本事例でも、長年蓄積された営業ノウハウや複雑な処理ロジックを読み解き、クラウド型法人営業支援サービス「MIDAS」の中核機能として再設計しました。
A
はい、対応可能です。現在のデータ量や検索条件だけでなく、利用企業数、処理件数、外部システムとの連携、将来のデータ増加まで考慮して、データ処理方式とアーキテクチャを設計します。本事例では、約1,000万件の法人データを効率的にインデックス化・検索し、企業検索からリスト生成、FAXDM配信まで連携できるサービス基盤を構築しました。
A
はい、可能です。既存の業務プロセスを整理し、顧客が画面上で条件指定、検索、データ取得、各種手続きを自ら完結できるサービスへ再設計します。本事例では、社内スタッフが代行していた企業検索やリスト提供、FAXDM配信を、顧客が必要なタイミングで利用できる仕組みへ刷新しました。
A
はい。ラーゲイトは、システムを構築して引き渡すだけでなく、お客様が自社内で技術的な判断を行い、サービスの運営・改善を主体的に進められる状態を見据えて伴走します。技術提案やアドバイスを通じて、事業環境や顧客ニーズに合わせてサービス価値を更新し続けられる内製化の土台を整えます
A
はい、相談可能です。クラウド基盤、データ処理、アプリケーション、外部API連携、運用までを横断し、一貫したシステムとして設計・開発します。ラーゲイトは、AWSをはじめとするクラウド基盤構築の知見を生かし、既存システムのモダナイズと新たなSaaS開発を分断せず、安定性と拡張性を備えたアーキテクチャをご提案します。
A
はい、対応可能です。AI機能を追加することだけを目的とせず、保有データの活用方法や検索機能、既存業務とのつながりを整理し、継続的に価値を高められるサービス構成を検討します。本事例でも、企業ごとに適したアプローチ先をより高精度に提案する将来構想を見据え、データとサービスを発展させていく方針が示されています。