ITコンサルタント・PMOメンバーによる伴走型支援の実績

官公庁システム更改におけるAX戦略策定からAI駆動開発ケイパビリティ獲得まで伴走支援

水野 渚
水野 渚 コーポレート管理部・バックオフィスマネージャー
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本日公開 支援実績 SIer業界公共・官公庁生成AIAI駆動開発AX戦略
最終更新日:2026年03月18日公開日:2026年03月18日
課題
  • 膨大な既存バッチ資産のドキュメントが未整備で、手動での解析には多大な工数とコストを要した
  • 公共性の高い大規模システムのため、AI導入にあたって厳格なセキュリティ要件の遵守が不可欠だった
  • AIの回答精度を安定させ、高品質な成果物を属人化させずに生成するノウハウが社内に不足
解決策
  • AX戦略の策定から着手し、AIエンジンやAIエージェントを活用した効率的かつセキュアなドキュメント生成基盤を構築
  • プロンプトの最適化や手順書の作成を支援し、誰が作業しても同等の品質が得られる体制を整えた
  • 技術的な疑問点をオンサイト訪問も交えた密な対話で即座に解消し、スピード感のあるリバースエンジニアリングを実現

1972年の設立から、システムインテグレーター(SIer)として公共・金融・流通など幅広い分野で大規模システムの開発・運用を担ってきた株式会社キューブシステム様。同社の第6SL事業本部モダナイゼーション部では、大手SIerに向けてインフラ基盤構築・運用のソリューションを提供しており、近年は老朽化したシステムのモダナイゼーションに多く取り組んでいます。

今回、ラーゲイトがご支援した同社のプロジェクトでは、官公庁が運用する大規模システムの更改に伴うドキュメント整備が課題となっていました。人手だけでは膨大な工数を要するこの難題に対し、ラーゲイトが行ったのは、単なるAIツール導入にとどまらないAX戦略の策定支援からAI駆動開発ケイパビリティの獲得までを見据えた伴走型支援です。

高水準のセキュリティ要件を遵守しながら、品質と効率の両立を実現した本取り組みについて、株式会社キューブシステム 第6SL事業本部モダナイゼーション部の小泉様と市川様にお話を伺いました。

膨大な既存バッチ資産のドキュメント整備が課題に

対象となった官公庁のシステムは、今回が複数度目となる更改のタイミングを迎えるにあたり、大きな課題が浮上していました。重要な社会基盤として長期間にわたって運用されてきたシステムであるため、蓄積されたバッチ資産が非常に膨大な数になっていたのです。

「これまでシステム更改が行われてきた中で、既存のバッチ資産に関するドキュメントが十分に整備されていなかったり、内容が現在の基準では理解しづらかったりするものが多く存在していました。当社のクライアント様からも、今回の更改に合わせて今後の運用と保守性の観点からドキュメントの精度を高めたいというご要望をいただいていました。」(市川様)

バッチ処理の多さがネックとなり、人手で一つひとつプログラムの処理内容や依存関係を解析・整理してドキュメントに落とし込むには、多大な工数とコストがかかることが想定されました。

そこでAIの活用を検討することになりましたが、公共性の高いシステムであるため、AI導入にあたっては厳格なセキュリティ要件を完全に遵守しなければなりません。

こうした課題を解決するため、AI活用に深い知見を持つパートナーとして同社からラーゲイトにご相談いただきました。

 

「以前から、ラーゲイトさんの強みがAI活用とAWSにあることは伺っていました。世の中にAI関連のサービスは増えていても、実際に大規模プロジェクトでAIを使いこなし、具体的な成果を出せる人材を抱えている企業はまだ少ないのが実情です。ちょうどAI活用による効率化を模索し、課題に直面していたタイミングで、ラーゲイトさんの特化した技術力が合致し、支援をお願いすることになりました。」(小泉様)

AI活用の強みを持つラーゲイトに支援を決めたと語る小泉様
AI活用の強みを持つラーゲイトに支援を決めたと語る小泉様

特定案件を起点に、AI駆動開発の組織的なケイパビリティ獲得へ

ラーゲイトが最初に行ったのは、このプロジェクトへのAI導入を「ゴール」とするのではなく、将来を見据えたAX(AI駆動開発ケイパビリティ獲得)戦略の策定です。目の前の課題を解決しながら、その取り組みを通じてキューブシステム様の組織そのものにAI駆動開発の力を根付かせること。それが今回の支援の根幹にありました。

 本プロジェクトに最適なAI実行環境を構築するため、状況の可視化から着手し、AIエンジン(Amazon Bedrock)とAIエージェント(Cline)を活用した基盤をご提案しました。

「ExcelやWordなどの複数のファイル形式をそのまま同時に読み込み、既存のフォーマットに合わせた形式で出力する仕組みを整えていただきました。これにより、従来のフローを大きく変えることなくスムーズにAIを組み込むことができました。」(市川様)

また、AIの回答精度を左右するプロンプトの最適化も支援しました。

「当社では個人レベルでAIを利用していましたが、膨大なドキュメントを一定の品質で出力させるには、より高度なプロンプト記述が必要でした。ラーゲイトさんと試行錯誤しながら改善を重ねたことで精度が大きく向上したとともに、複数メンバーが同様に扱えるよう手順書の作成もサポートしていただけて助かりました。」(市川様)

AIの利用が個人から組織底上げされたと語る市川様
AIの利用が個人から組織底上げされたと語る市川様

密な対話とオンサイト支援が、高難度セキュリティ要件のある現場を動かした

公共性の高いシステムを扱うプロジェクトでは、技術面の確認だけでなく、セキュリティ要件に関する慎重かつ正確なすり合わせが不可欠です。ラーゲイトはオンライン対応を基本としながらも、初期の接続設定や細かな調整など、テキストのやり取りだけでは伝わりにくい技術的な壁が生じた際には、担当者がキューブシステム様のオフィスへ直接訪問するオンサイト支援も並行しました。

「直接来ていただき、その場で問題を解決してくださったことで、プロジェクトに停滞を生むことなく、スピード感をもって進行できたと思います。疑問や懸念をすぐに言葉にできる関係性が、高いセキュリティ要件のある環境でも安心して進められた要因の一つだと感じています。」(市川様)

期待以上のアウトプットを、属人化させずに実現

プロジェクトを推進した結果、複雑な要件におけるリバースエンジニアリングの品質は劇的に向上。AIの活用により、誰が作業しても同等の高品質なアウトプットが得られる体制が整い、属人化の解消と品質の平準化を実現できました。

また、既存のドキュメントにはなかったフローチャートの自動生成機能が非常に好評だったといいます。

「バッチの動作フローが視覚的に分かりやすくなったことは、今後の運用担当者にとっても大きなメリットです。当初お客様が求めていた以上の成果物になり、おかげさまで高い評価をいただいています。」(市川様)

求めていた以上の成果物になり高い評価を得ていると語る市川様
求めていた以上の成果物になり高い評価を得ていると語る市川様

AI活用の領域を拡大し、新たな価値提供へ

今回の成功を受け、キューブシステム様では業務効率化や品質向上にとどまらない、AI活用によるさらなる価値の創出も見据えています。

「レビュー作業やドキュメント反映確認、セルフレビューの効率化など、AIを適用できる領域はまだまだあります。AI活用を通じて品質と効率を底上げし、お客様に新たな価値を提供し続けることが目標です。また、無形財務価値として社内のAI人材育成もさらに加速させていきたいと考えています。」(市川様)

同時に、ラーゲイトには継続的な協業パートナーとしての期待も寄せられています。

「今後、似たような課題を持つ他のお客様に対しても、ラーゲイトさんと一緒にスキームを検討し、積極的にAI活用の提案を行っていきたいです。ラーゲイトさんの知見をお借りしながら、共に新たな価値を創出し続けることを期待しています。」(小泉様)

今後もラーゲイトとともにAI活用を推進していきたいと語る小泉様
今後もラーゲイトとともにAI活用を推進していきたいと語る小泉様

今回の支援を通じて、Amazon Web Serviceが提供している「Kiro」の導入も決定しました。

ラーゲイトは今後Kiroも含めキューブシステム様のAX推進やAI駆動推進を行いさらなる価値創造の支援をさせていただきます。

大規模システムを支える高度なエンジニアリングと、最先端のAI技術。両社の強みが融合した本プロジェクトは、レガシーシステムの継承という業界共通の課題に対する、AX戦略を起点とした伴走型支援の一つの理想的な形を示しました。

株式会社キューブシステム市川様(左)、小泉様(中央左)、ラーゲイト株式会社久保(中央右)、柳澤(右)
株式会社キューブシステム市川様(左)、小泉様(中央左)、ラーゲイト株式会社久保(中央右)、柳澤(右)

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FAQ

よくあるご質問

A
AX(AI Transformation)戦略とは、特定のツール導入や業務自動化にとどまらず、組織全体にAI駆動開発のケイパビリティ(能力・実行力)を根付かせることを目指す取り組みです。単なるAI導入が「ある課題をAIで解決する」ことを目的とするのに対し、AX戦略は「AIを使いこなせる組織をつくる」ことを目的とします。ラーゲイトでは、目の前の課題を解決しながらも、その取り組み自体を通じて属人化の解消・手順の標準化・社内AI人材の育成につなげる伴走型支援を提供しています。一過性のプロジェクト支援で終わらず、将来にわたって自走できる体制づくりを重視しているのが特徴です。
A
公共性の高いシステムへのAI導入には、厳格なセキュリティ要件の遵守が不可欠です。ラーゲイトでは、Amazon BedrockをはじめとするAWSのマネージドサービスを活用することで、データの外部送信リスクを最小限に抑えた閉じた環境でのAI利用を実現します。また、導入前の段階から現状のセキュリティ設計を確認し、要件に合致したAI実行環境の設計・構築を行います。キューブシステム様のプロジェクトでも、官公庁システムという高いセキュリティ基準のもとで、要件を完全に遵守したかたちでAI活用基盤を構築しました。セキュリティ要件が厳しいからこそAI活用をためらっているという企業様も、まずはご相談ください。
A
レガシーシステムのドキュメント整備にAIを活用する最大のメリットは、膨大な量の既存資産を短期間・低コストで解析・整理できる点です。人手で行えば数ヶ月を要するリバースエンジニアリングを、AIエンジンとAIエージェントを組み合わせることで大幅に効率化できます。また、AIによるフローチャート自動生成など、従来のドキュメントには存在しなかった付加価値を生み出すことも可能です。ドキュメント整備以外にも、レビュー作業の効率化・ドキュメント反映確認の自動化・セルフレビューの品質向上など、システム開発・運用の各フェーズにAIを適用できる領域は広く存在します。ラーゲイトでは現状のプロセスを可視化した上で、費用対効果の高いAI適用箇所をご提案します。
A
AIを組織で活用する際に最も多く挙がる課題の一つが、成果物品質の属人化です。ラーゲイトでは、AIの回答精度を左右するプロンプトの最適化を支援するとともに、誰が作業しても同等の品質が得られるよう手順書の整備までサポートします。キューブシステム様のプロジェクトでも、試行錯誤を重ねてプロンプトを改善し、複数メンバーが均質な高品質アウトプットを出せる体制を構築しました。「AIは使えるが、品質が安定しない」という段階から、組織として再現性のある運用が定着する段階へと支援する。移行を伴走してご支援するのがラーゲイトの強みです。
A
はい、必要に応じてオンサイトでの対応も行っています。テキストやオンラインミーティングでは伝わりにくい技術的な課題、特に初期の接続設定やセキュリティ環境に関わる細かな調整などは、現地で直接対応することでスムーズに解決できるケースが多くあります。キューブシステム様のプロジェクトでも、ラーゲイトの担当者がオフィスへ直接訪問し、その場で問題を解決することでプロジェクトの停滞を防ぎました。オンラインとオンサイトを柔軟に組み合わせた密な対話が、特に難易度の高い案件での信頼関係構築と品質担保につながっています。