Openclawを使い倒す上級者のための設定ガイド — openclaw.jsonからCursor活用まで

益子 竜与志
益子 竜与志
XThreads
最終更新日:2026年04月07日公開日:2026年04月07日

OpenclawはAIエージェントフレームワークとして多彩なカスタマイズ性を持ちます。本記事ではopenclaw.jsonの高度な設定項目、SOUL.md/MEMORY.md/AGENTS.md/USER.mdのカスタマイズ手法、MCPサーバーの追加設定、スキル作成、Cronジョブ活用、そしてCursorを使った設定ファイル効率編集の実践ノウハウまで、Ragateが実際に運用する58エージェント・30以上のMCPサーバー環境をもとに解説します。

OpenclawはAIエージェントフレームワークとして、柔軟な設定体系を備えています。本記事ではRagateが実際に運用する58エージェント・30以上のMCPサーバー環境をもとに、openclaw.jsonの高度な設定項目、定義ファイルのカスタマイズ手法、そしてCursorを使った効率的な編集フローを解説します。

openclaw.jsonの全セクション解剖

openclaw.jsonはOpenclawの設定を一元管理するメインファイルです。agents.defaultsセクションは全エージェントへのフォールバック設定として機能します。主要な設定項目は以下の通りです。

{
  "agents": {
    "defaults": {
      "model": {
        "primary": "anthropic/claude-sonnet-4-6",
        "fallbacks": ["anthropic/claude-haiku-4-5"]
      },
      "contextPruning": { "mode": "cache-ttl", "ttl": "1h" },
      "heartbeat": { "every": "30m", "isolatedSession": true }
    }
  }
}

bindingsセクションでSlackチャネルと各エージェントを紐づけます。Ragateでは58個のエージェントをtimes-*(個人タイムズ)・pj-*(プロジェクト)・ex-pj-*(外部連携)等のカテゴリに分けて運用しています。gatewayセクションはport 18789でローカルに起動するHTTP APIゲートウェイで、token認証で保護し、tailscale.modeを"auto"に設定するとTailscaleネットワーク経由での外部アクセスも可能になります。

openclaw.jsonの構造とエージェント・チャネルマッピングの概念図

SOUL.md / MEMORY.md / AGENTS.md / USER.mdの高度なカスタマイズ

4つのMarkdownファイルによるエージェントパーソナリティの永続化がOpenclawの特徴です。SOUL.mdはエージェントの価値観・行動原則を定義します。「Be genuinely helpful, not performatively helpful」「Have opinions」「Be resourceful before asking」というコアトゥルースが設定されており、エージェント自身が運用を通じて進化させる設計になっています。

MEMORY.mdはエージェントの長期記憶として機能します。Ragateのケースでは255行に及ぶ運用ルール集として機能しており、日付・担当者・理由を必ず記録することでルールの背景が失われない設計にしています。AGENTS.mdにはワークスペース全体の行動規範を記載します。LLMルーティングポリシーとして、日常的なチャットはSonnet 4.6、高度推論はOpus 4.6、マルチステップ実行とマーケティング・営業・提案書作成はClaude Code(品質最大化)と使い分けています。

ファイル

役割

カスタマイズポイント

SOUL.md

エージェントの価値観・哲学

コアトゥルース・コミュニケーションスタイル

MEMORY.md

長期記憶・運用ルール集

日付・担当者・理由付きルール蓄積

AGENTS.md

行動規範・安全ガイドライン

LLMルーティングポリシー・レッドライン

USER.md

ユーザー情報・稼働時間

連絡スタイル・優先度方針

MCPサーバーの高度な設定と追加方法

openclaw.jsonにはMCPサーバーを配置できる場所が2つあります。mcp.serversはエージェントが直接利用するサーバー(主にAWSツール群)、plugins.entries.openclaw-mcp-bridge.serversはrouterモードで統合管理するサーバー(Google Workspace・SNS・開発ツール等)です。新規MCPサーバー追加の基本パターンを示します。

// stdio(npmパッケージ)の場合
"your-service": {
  "transport": "stdio",
  "command": "npx",
  "args": ["-y", "your-mcp-package@latest"],
  "env": { "API_KEY": "your-api-key" }
}

// streamable-httpの場合
"aws-knowledge-mcp": {
  "transport": "streamable-http",
  "url": "https://knowledge-mcp.global.api.aws"
}

追加後は必ずapproval-request.shでkind="mcp"として承認申請します。Google CalendarなどOAuth認証が必要なサービスはGOOGLE_OAUTH_CREDENTIALSでcredentials.jsonのパスを指定します。

30以上のMCPサーバーの構成図(カテゴリ別整理)

スキル作成・Cronジョブ設定の実践

スキルのディレクトリ構造はSKILL.md(必須)・scripts/・README.mdで構成します。SKILL.mdのフロントマターにnameとdescriptionを記載します。Ragateでは「Wave-by-Wave再利用アーキテクチャ」を採用しており、Wave 2のpublish-content-draft-pipeline.shが全ブログ媒体で共通利用され、Wave 5のregulation.mdがブログルールの唯一の権威ソースです。新スキル作成後はkind="skill"で承認申請が必須です。

設定項目

Ragateの方針

理由

Cron実行時間帯

10:00〜20:00以外を推奨

ビジネスアワーのLLM混雑回避

セッション分離

isolatedSession: true

メインセッションのコンテキスト汚染防止

Heartbeatとの使い分け

正確な時刻が必要な場合はCronを選択

Heartbeatは約30分間隔でドリフト許容

Cursorで設定ファイルを効率的に編集する実践手法

Cursorのチャット機能を使ったopenclaw.json・SKILL.md・MEMORY.mdの編集フローを紹介します。

目的

Cursorへの指示例

MCPサーバー追加

「@openclaw.json のplugins.entries.openclaw-mcp-bridge.serversにnotionサーバーを追加して。transport: stdio, command: npx, args: ['-y', '@notionhq/mcp']」

新エージェント追加

「@openclaw.json のagents.listにtimes-newpersonを追加して。times-masihkoと同じパターンで」

MEMORY.mdへのルール追加

「@MEMORY.md に新しいルールを追加して。YYYY-MM-DD 担当者より。X投稿前にreply-log.jsonを確認すること」

既存のSKILL.mdをテンプレートにした新スキル作成も効果的です。「@skills/x-lead-post/SKILL.md を参考に、linkedin-lead-post/SKILL.md を作成して」と指示するだけで、同じ構造のスキルをすばやく生成できます。変更後はgit commitでバックアップを取り、approval-request.shで承認申請してから適用します。設定ファイルの変更はすべて承認フロー必須という原則を守ることで、エージェントの安全な進化が保証されます。

Openclawの設定は一度整えれば終わりではなく、チームの規模・業務・要件に合わせて継続的に進化させていくものです。SOUL.md・MEMORY.md・スキルを積み上げることで、まるで経験を積んだスタッフのように振る舞うエージェントが育っていきます。Cursorをパートナーにした設定ファイル管理は、その進化を加速させる強力な手法です。

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