議事録作成は「AIに任せる時代」へ
「会議中はメモに追われて議論に集中できない」「議事録の作成に毎回1〜2時間かかる」「重要な発言を聞き漏らしてしまう」——多くのビジネスパーソンが会議周辺業務の非効率さに悩んでいます。
生成AIの進化により、こうした課題は解決可能になりつつあります。音声認識と大規模言語モデルを組み合わせたAI議事録・要約ツールが、会議の在り方を根本から変えようとしています。
本レポートでは、Ragate株式会社が2025年12月に実施した506名への独自調査から、議事録作成・要約業務での生成AI活用の実態と導入のポイントを詳しく解説します。
調査概要
本調査は以下の条件で実施しました。
- 調査期間:2025年12月11日〜
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 有効回答数:506名
- 調査対象:日本国内のビジネスパーソン(情報システム部門・DX推進室所属者)
議事録作成・要約でのAI活用:28.1%が実践中
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活用領域における位置づけ
調査結果から、「議事録作成・要約(会議議事録の文字起こし、要点整理など)」での活用率は28.1%で、7つの活用領域の中で第4位となっています。
活用業務領域 | 活用率 | 順位 |
|---|---|---|
情報収集・調査・分析 | 39.2% | 1位 |
システム開発・運用 | 37.4% | 2位 |
コンテンツ作成・編集 | 30.9% | 3位 |
議事録作成・要約 | 28.1% | 4位 |
社内問い合わせ対応 | 26.5% | 5位 |
クリエイティブ業務 | 17.2% | 6位 |
翻訳・外国語対応 | 15.0% | 7位 |
約4社に1社が議事録作成・要約業務で生成AIを活用しており、テキスト生成系の活用領域として高い普及率を示しています。
AI議事録・要約の活用シーン
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シーン1:会議中のリアルタイム文字起こし
従来の課題
- メモを取りながらの参加で議論に集中できない
- 聞き漏らしや書き漏らしが発生
- 後から録音を聞き返す時間が必要
AI活用による解決
- 音声をリアルタイムでテキスト化
- 発言者の識別と話者分離
- 会議参加者は議論に集中可能
活用ツール
調査データでは、Copilot for Microsoft 365が39.2%の利用率を示しており、Teams会議での自動文字起こし機能が広く活用されています。
シーン2:議事録の自動要約
従来の課題
- 長時間の会議内容を整理するのに時間がかかる
- 重要なポイントの抜け漏れが発生
- 担当者によって品質にバラつき
AI活用による解決
- 文字起こしデータから自動で要約を生成
- 決定事項、アクションアイテムを自動抽出
- 一定品質の議事録を短時間で作成
出力イメージ
【会議要約】
■ 日時:2025年12月15日 14:00-15:00
■ 参加者:〇〇、△△、□□
■ 議題と決定事項
1. 新製品のリリース日程
→ 2026年3月15日に決定
2. マーケティング予算
→ 1,000万円で承認
■ アクションアイテム
- 〇〇:仕様書の最終版を12/20までに提出
- △△:メディア向けプレスリリースの作成
- □□:販売チャネルとの調整
■ 次回会議
2025年12月22日 14:00〜シーン3:過去会議の検索・振り返り
従来の課題
- 過去の会議で何が決まったか確認するのが大変
- 録音データを聞き直す時間がない
- 議事録が散在して見つからない
AI活用による解決
- 文字起こしデータを検索可能に
- 「〇〇について話した会議」を特定
- 関連する過去の議論を即座に参照
主要ツール・サービスの比較
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調査データに見る関連ツールの利用率
ツール/サービス | 利用率 | 議事録関連機能 |
|---|---|---|
Copilot for Microsoft 365 | 39.2% | Teams会議の文字起こし・要約 |
ChatGPT | 46.3% | テキスト要約・整理 |
Google Gemini | 30.9% | 長文要約・Google Meet連携 |
ツール別の特徴
Copilot for Microsoft 365
項目 | 内容 |
|---|---|
強み | Teams会議との完全統合 |
機能 | リアルタイム文字起こし、自動要約、アクションアイテム抽出 |
対象 | Microsoft 365ユーザー |
価格帯 | 約$30/ユーザー/月(M365追加) |
ChatGPT / Claude による処理
項目 | 内容 |
|---|---|
強み | 柔軟な要約・整理が可能 |
機能 | 文字起こしデータを入力して要約 |
対象 | 汎用的に利用可能 |
価格帯 | $20/月〜(有料版) |
専用AI議事録ツール
項目 | 内容 |
|---|---|
強み | 議事録特化の機能 |
機能 | 話者分離、キーワード抽出、テンプレート出力 |
対象 | 高頻度で会議がある組織 |
価格帯 | サービスにより異なる |
「導入効果」ROIの試算
工数削減効果
従来のワークフロー(1時間の会議の場合)
作業 | 所要時間 |
|---|---|
会議中のメモ取り | 会議時間と並行 |
録音の聞き返し | 30分〜1時間 |
議事録の作成 | 1〜2時間 |
確認・修正 | 30分 |
合計(会議後の作業) | 2〜3.5時間 |
AI活用後のワークフロー
作業 | 所要時間 |
|---|---|
会議中のメモ取り | 不要(AIが自動化) |
文字起こし | 自動(リアルタイム) |
AI要約の確認・修正 | 15〜30分 |
合計(会議後の作業) | 15〜30分 |
削減効果
1会議あたり約2時間の工数削減
年間効果(週5会議、50週の場合)
削減時間 = 2時間 × 5会議 × 50週 = 500時間/年
人件費単価 ¥5,000/hとした場合
年間削減効果 = 500時間 × ¥5,000 = ¥2,500,000/年導入時の注意点と対策

注意点①:音声認識の精度
課題
- 専門用語や固有名詞の誤認識
- 複数人が同時に話すと精度低下
- 音質が悪いと文字起こし精度が低下
対策
- 専門用語辞書の登録(対応ツールの場合)
- 会議時のマイク環境を整備
- 発言時は一人ずつ話すルールを徹底
- 事後の人間による確認・修正を必須化
注意点②:機密情報の取り扱い
課題
- 会議内容には機密情報が含まれる場合が多い
- 外部サービスへの音声データ送信に懸念
対策
- エンタープライズ向けサービスを選定
- データ保持ポリシーを確認
- 機密度の高い会議は対象外とする運用
- 社内ガイドラインで対象会議を明確化
注意点③:要約の正確性
課題
- AIによる要約で重要なニュアンスが欠落する可能性
- 決定事項の誤認識
対策
- 必ず人間による確認・承認プロセスを設ける
- 重要な決定事項は会議中に口頭で確認
- 参加者に議事録を共有し、指摘を受け付ける
まとめ
本調査により、以下の点が明らかになりました。
- 議事録作成・要約での活用率は28.1%で、約4社に1社が実践中
- Copilot for M365(39.2%)がTeams会議との統合で広く普及
- 1会議あたり約2時間の工数削減が可能で、高いROIを実現
- 音声認識精度、機密管理、要約の正確性に注意が必要
- パイロット導入から段階的に展開することが成功の鍵
議事録作成は、AIによる自動化の恩恵を最も受けやすい業務の一つです。本レポートの内容を参考に、会議周辺業務の効率化を実現してください。
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