AWS Transform 1周年とClaude Platform on AWS - クラウド移行と生成AIの新選択肢

益子 竜与志
益子 竜与志
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最終更新日:2026年05月21日公開日:2026年05月21日

2026年5月18日のAWS Weekly Roundupで、クラウド移行と生成AI活用を巡る大きなニュースが発表されました。エージェンティックAIによる移行サービス「AWS Transform」が1周年を迎え、同時にAnthropicのClaude APIへの直接アクセスを可能にする「Claude Platform on AWS」が一般提供開始となったのです。さらに、Apple開発者待望のEC2 M3 Ultra Macインスタンスも追加され、開発環境の選択肢も大きく広がりました。本記事では、これら3つの重要なアップデートと、企業のDX推進にどう活用できるかを解説します。

2026年5月18日のAWS Weekly Roundupで、クラウド移行と生成AI活用を巡る大きなニュースが発表されました。エージェンティックAIによる移行サービス「AWS Transform」が1周年を迎え、同時にAnthropicのClaude APIへの直接アクセスを可能にする「Claude Platform on AWS」が一般提供開始となったのです。さらに、Apple開発者待望のEC2 M3 Ultra Macインスタンスも追加され、開発環境の選択肢も大きく広がりました。本記事では、これら3つの重要なアップデートと、企業のDX推進にどう活用できるかを解説します。

AWS Transform 1周年の成果と進化

2025年5月に登場したAWS Transformは、.NET、メインフレーム、VMwareワークロードの現代化を目的に構築された初のエージェンティックAIサービスです。1周年を迎えた現在、その実績は驚異的な数字を示しています。

12か月の間に、何千もの顧客が何十万ものサーバーを移行し、160万時間以上の工数を節約して、45億行以上のコードを処理しました。これは、従来の移行プロジェクトでは数年を要していた作業を劇的に短縮したことを意味します。

AWS Transformによる移行プロセスのイメージ

AI駆動の移行プロセス

AWS Transformの中核となるのは、生成AIによる自動化です。VMware環境の移行を例に取ると、以下の機能が提供されます。

  • 3つのディスカバリーオプション:AWS Application Discovery Serviceの利用、オープンソースのExport for vCenterツール、または独自に収集したデータをインポート
  • AIによるネットワーク変換:VMwareのネットワーク構成をAmazon VPCアーキテクチャに自動変換
  • 移行計画の自動生成:アプリケーションのグループ化や移行ウェーブの提案
  • サーバーのリホスト:Amazon EC2上でネイティブに実行可能な形態への変換

re:Invent 2025では「AWS Transform custom」も追加され、AWS管理の変換に加えてカスタム変換も可能になりました。言語バージョンのアップグレード、フレームワークの移行、パフォーマンス最適化、コードベース分析など、組織固有の要件に合わせて柔軟に対応できるようになっています。

エージェントエコシステムの拡大

1周年を記念して、AWS TransformエージェントがKiro、Claude、Cursor、Codexで利用可能になりました。カスタマイズされた変換エージェントを構築するためのツールキット「Kiro Power」も提供され、より高度な自動化が可能になっています。

Claude Platform on AWS - Amazon Bedrockとの違い

もう一つの大きなニュースは、Claude Platform on AWSの一般提供開始です。これは、Anthropicが運営するClaude APIに、既存のAWSアカウントから直接アクセスできるようになるサービスです。

Claude Platform on AWSとAmazon Bedrockの比較イメージ

Claude Platform on AWSの特徴

Claude Platform on AWSの最大の特徴は、Anthropicが運営するインフラストラクチャ上でClaudeモデルが動作することです。以下の機能が提供されます。

  • Same-day model and feature access:新しいClaudeモデルやAPI機能が、Claude APIと同日に利用可能
  • Agent Skills:PowerPoint、Excel、Word、PDF生成のスキルが標準で利用可能
  • Code execution:Anthropic管理のサンドボックス内でのコード実行
  • Extended thinking:複雑な推論タスク向けの拡張思考機能
  • Prompt caching:ツール、システムプロンプト、メッセージ履歴のキャッシュによるレイテンシとコストの削減
  • AWS IAM統合:SigV4認証による標準的なIAMポリシーでのアクセス制御
  • 統合AWS請求:AWS Marketplace経由で既存のAWSアカウントに統合された課金

Amazon Bedrockとの比較と選択基準

では、Amazon Bedrockとどう使い分けるべきでしょうか。重要な違いは以下の通りです。

項目

Claude Platform on AWS

Amazon Bedrock

運営主体

Anthropic

AWS

APIサーフェス

Anthropic Messages API

Bedrock API

モデル提供タイミング

Claude APIと同日

AWS統合タイムライン依存

Agent Skills

利用可能

利用不可(コード実行が必要)

データプロセッサー

AnthropicとAWS

AWSのみ

コンプライアンス

独自のデューデリジェンスが必要

AWSコンプライアンスプログラム対象

Bedrockを選ぶべきケース:組織がAWSによる推論スタックの運用を必要とする場合、AWSが唯一のデータプロセッサーであることを求める場合、またはFedRAMP High、IL4/IL5、SOC、ISO、HIPAAなどのAWSコンプライアンスプログラムの対象範囲を必要とする場合です。

Claude Platform on AWSを選ぶべきケース:最新のClaudeモデルや機能を最速で利用したい場合、Agent Skillsによる文書生成を活用したい場合、またはAnthropicのネイティブな開発体験を好む場合です。

EC2 M3 Ultra Macインスタンスで広がる開発可能性

3つ目の注目アップデートは、Amazon EC2 M3 Ultra Macインスタンスの登場です。これは、Apple M3 Ultra Mac Studioをベースにした新しいMacインスタンスタイプです。

圧倒的なスペック

M3 Ultra Macインスタンスは、28コアCPU、60コアGPU、32コアNeural Engine、256GBのユニファイドメモリを搭載しています。従来のM4 Max Macインスタンスと比較して、以下の性能向上を実現しています。

  • ユニファイドメモリ:2倍(256GB)
  • CPUコア:1.75倍(28コア)
  • GPUコア:1.5倍(60コア)
  • Neural Engineコア:2倍(32コア)

iOS/macOSアプリ開発での活用

この高いスペックは、特にXcodeシミュレータの並列実行に大きなメリットをもたらします。複数のシミュレータを同時に起動してテストする場合、従来よりもはるかに多くのシミュレータを並列実行できるため、テストサイクルを大幅に短縮できます。

また、オンデバイス機械学習ワークフローの加速にも貢献します。Core MLモデルのトレーニングや推論の検証がより高速になり、製品の市場投入までの時間を短縮できます。

EC2 MacインスタンスはDedicated Host上での提供となるため、24時間の最小割り当て期間などの制約はありますが、CI/CD環境での活用や、特定のビルド・テストタスクでの一時利用など、柔軟な運用が可能です。

Ragate株式会社が支援する移行とAI活用

AWS TransformやClaude Platform on AWSといった新しいサービスを活用する際、どのように導入を進めるべきか、どの選択肢が自社に適しているか、多くの判断が必要になります。

Ragate株式会社は、クラウド移行から生成AI導入まで一気通貫で支援する実績を持つAWSパートナーです。以下の強みを活かしたサポートを提供しています。

AWS FTR認定と7R戦略の専門知識

RagateはAWS FTR(Foundation Technical Review)認定を取得しており、セキュアなAWS環境の設計・構築において信頼性の高い支援を提供しています。また、クラウド移行の7Rフレームワーク(リロケート、リホスト、リプラットフォーム、リファクタリング/リアーキテクチャ、リパーチェス、リタイア、リテイン)に精通し、お客様の状況に最適な移行戦略を策定します。

サーバーレス・生成AIの実装実績

Ragateは、サーバーレスアーキテクチャやDify × Amazon Bedrockを組み合わせた社内AIプラットフォームの構築など、生成AIの実践的な導入実績を多数持っています。AWS Top Engineers 2024 (Service)やAWS Rising Starの受賞実績もあり、技術力の高さが認められています。

代表取締役・益子竜与志氏による著書『AI駆動で進める「小さく確実な」クラウドネイティブ移行』(技術評論社、全512ページ)も出版されており、移行とAI活用のノウハウが体系的にまとめられています。

まとめ - クラウドネイティブへの次のステップ

AWS Transform 1周年、Claude Platform on AWS、EC2 M3 Ultra Macインスタンスという3つの大きなアップデートは、企業のDX推進において新たな選択肢を提供しています。

AWS Transformは、エージェンティックAIによる移行サービスとして、従来は長期間を要した移行プロジェクトを劇的に短縮する可能性を示しています。Claude Platform on AWSは、Amazon Bedrockとは異なる特性を持ち、最新のClaudeモデルへのアクセスやAgent Skillsの活用など、ユースケースに応じた選択が可能になりました。EC2 M3 Ultra Macインスタンスは、Apple開発者の生産性を大きく向上させる環境を提供します。

これらの新技術をどう組み合わせ、どう自社のDXに活用するか。Ragate株式会社は、クラウド移行から生成AI導入まで、お客様のビジネス課題に合わせた最適なソリューションをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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