AWSが20周年。サーバーレスの黎明期に賭けた23歳の自分と、Ragateの9年間を振り返る

益子 竜与志
益子 竜与志
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最終更新日:2026年03月25日公開日:2026年03月25日

AWSが創立20周年を迎えた。2006年のS3リリースから始まった歴史を、サーバーレスに賭けてRagateを創業した一人のAWSパートナーとして振り返る。

AWSが20周年を迎えた。

先日、AWSの公式ブログにその記念記事が公開されて、僕はしばらく画面をじっと見つめてしまいました。2006年3月、Amazon S3がリリースされた瞬間から数えて20年。240を超えるサービスが生まれ、何百万という開発者がその恩恵を受けてきた歴史。自分がこの「波」に乗ってビジネスをしてきた9年間を、改めて振り返る気持ちになりました。

サーバーレスとの出会い——「これだ」という直感

僕がAWSと本格的に向き合ったのは2015〜2016年頃のことです。当時22歳で、某インターネットTVの広告配信システムにフリーランスとして参画していました。そこで初めてAWS LambdaとScalaの組み合わせに触れたんですよ。

その頃、日本ではサーバーレスなんてほとんど知られていなかった。EC2を立てて、管理して、スケールさせて——そういうのが普通で、「サーバーレス?何それ?」という感じでした。でも自分は確信していたんです。「これは絶対に、未来のソフトウェア開発のデファクトスタンダードになる」と。

AWS Lambdaがリリースされたのは2014年。AWSの20年の歴史の中では、ちょうど折り返し地点あたりです。コードをデプロイするだけで動く。サーバーの管理が要らない。スケールは自動。当時は「便利なツール」くらいの認識をされていたけど、僕にはインフラの考え方を根本から変える革命に見えました。

23歳でRagateを創業した理由

2017年、23歳でRagateを立ち上げました。「サーバーレス技術でお客さんの課題を解決する会社を作りたい」というシンプルな動機でした。

その選択が正しかったかどうか、当時は正直わかりませんでした。でも今振り返ると、AWSの歴史の流れと見事に合致していたと思います。2017年はAmazon EKSやAWS Fargateがリリースされ、コンテナ・サーバーレスの時代が本格化した年。Amazon Auroraも同年にPostgreSQL対応版が出ました。市場がサーバーレスに向かっていたタイミングで、自分もそこに賭けていた。

ぶっちゃけ、運も良かったと思います。でも「本物のトレンドを見極める眼」という意味では、あながち外れていなかった。

AWS 20年の歴史を、一人のAWSパートナーとして読む

AWSの公式ブログを読んで、改めてこの20年の密度に圧倒されました。

S3とEC2(2006年)から始まり、RDSとVPC(2009年)、DynamoDBとRedshift(2012年)、Lambda(2014年)、SageMaker(2017年)、そしてAmazon Bedrock(2023年)、Amazon Nova(2024年)、さらにはKiro(2025年)へと続く進化の系譜。

おもしろいのは、この流れが「開発者の抽象化レイヤーを上げ続ける歴史」でもあったということです。最初はサーバーをクラウドで借りられるようにした。次にデータベース管理を省略した。そしてサーバーレスでインフラ自体を抽象化した。今はAIが「コードを書く」という作業すら抽象化しようとしている。

Ragateがサーバーレスに特化してきた背景には、この「抽象化によって本質的な価値創出に集中できる」という哲学がありました。自分たちが正しいと信じた方向性を、AWSが20年かけて証明し続けてくれているような気持ちがあります。

生成AI・エージェンティックAIの時代に思うこと

2023年に Amazon Bedrockが一般提供されたとき、また同じ感覚を覚えました。2016年のサーバーレスと同じ「これだ」という直感です。

生成AIは今、多くの企業にとって「試してみた」フェーズから「事業に組み込む」フェーズへの移行期にあります。そしてその次の波として、エージェンティックAI——AIが自律的にタスクを実行し、複数のツールを組み合わせながら複雑な目標を達成する——という世界が近づいています。

AWSはAmazon Bedrock AgentCoreというエージェント基盤を2025年に導入しました。これは単なる機能追加ではなく、「AIをビジネスプロセスに深く統合する」というパラダイムシフトの宣言だと思っています。

Ragateでも、この流れに正面から向き合っています。お客さんの業務課題に対して、単にAIツールを導入するのではなく、ビジネスプロセスそのものをAIエージェント前提で再設計する——そういうアプローチを取り始めています。

「本物のトレンドを見極める」ということ

AWSのブログの中に、Jeff Barrのこんな言葉が引用されていました。

「将来を見据えるときには、派手な気晴らしと本物のトレンドを区別できると同時に、昨日のニッチが今日の主流テクノロジーになった場合にピボットするのに十分な柔軟性を保つ必要があります」

これ、本当にそうだと思います。テクノロジーの世界には常に「バズワード」があって、それに振り回されているうちにあっという間に時代が変わる。サーバーレスも、クラウドネイティブも、今の生成AIも——「本物かどうか」を見極める眼と、本物だと判断したら迷わず乗っていく胆力が必要です。

経営者として9年間やってきて、この「見極め力」こそが一番大事なスキルだと確信しています。技術は変わる。市場も変わる。でも「本質的な課題は何か」「本当の価値はどこか」という問いを立て続けることは変わらない。

次の20年、Ragateはどこへ向かうか

AWSが20年で世界を変えたように、Ragateもこれから10年、20年で何かを変えていきたいと思っています。

日本は少子高齢化が進み、労働生産性の向上は急務です。でも悲観的には考えていなくて、むしろAIとクラウドの組み合わせが、その課題を解決する最強の武器になると信じています。

RagateがAWS Top Engineersに選ばれ、Rising Star Partners of the Yearを受賞できたのも、この信念を技術で体現し続けてきたからだと思っています。これからも、「最先端技術を大衆化する」というミッションのもと、お客さんと一緒に走り続けます。

AWS、20周年おめでとうございます。これからも頼りにしています。そして一緒に、次の20年を作っていきたいですね。

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