2017年、私はRagateを創業しました。
「最新技術を大衆化する」。そのミッションを胸に、クラウド技術やサーバーレスアーキテクチャをまだ多くの企業が知らなかった時代から、ひとつひとつ実績を積み上げてきました。SMBから大手エンタープライズ、官公庁まで、先端技術を届けることがRagateの仕事でした。
あれから約9年が経ちました。振り返ると、私がずっと向き合ってきた問いは、技術の話ではなかったと思います。日本の未来をどう作るか、という問いでした。
ゴールドラッシュのツルハシ売り、でもそれだけじゃない
AIが急速に普及した今、よく「ゴールドラッシュ」に例えられることがあります。AIという金鉱を掘り当てようとする企業が殺到し、その周辺で道具を売る事業者が儲かる——そういう構図です。
Ragateも確かに、ツルハシを売っています。AWSを核とした技術インフラの構築支援、AI活用戦略の策定、そしてシステム開発。これらはツルハシそのものと言えるかもしれません。
でも私が目指してきたのは、ただのツルハシ売りではありません。
どこを掘ればゴールドが出るのかを一緒に考え、採掘後にどんな事業価値が生まれるのかをROIとして示し、ゴールドを掘り当てた後も顧客のビジネスが成功し続けるよう伴走する——それがRagateのやり方です。MBAで学んだ経営戦略とマーケティングの知見を、エンジニアリングの専門性と組み合わせる。この掛け合わせを実践できる会社は、国内にそう多くありません。
今、SIとコンサルの業界は正念場に立っています
国内のSI企業やコンサル企業は今、本質を問われています。
AIという極めて強力な代替技術の登場により、従来のビジネスモデルが根こそぎ問い直されています。「とりあえず優秀そうなプログラマーを派遣しておく」SES企業、「なぜやるのかが不明確なままフェーズだけを定義して人月をアサインし、絵に描いた餅を量産する」コンサル企業——これらが淘汰されていく時代が来ています。
これは悲劇ではないと、私は思っています。正しい市場原理が機能し始めているだけです。
顧客にとって本当に価値のないサービスは消えていきます。「過剰なコストによる顧客支援」「ベストプラクティスではないアーキテクチャ設計」「成功指標が未定義のまま走るプロジェクト」——こういったものが駆逐されることで、日本全体のIT生産性は飛躍的に向上するはずです。私はこの変化を、歓迎しています。
規模より生産性。SMBが大手に勝てる時代が来ます
これまでSI市場、コンサル市場において、企業の規模——すなわち従業員数——は絶対的な競争優位でした。エンタープライズや官公庁の大型案件は、大手企業がほぼ独占してきました。なぜなら「何百人のエンジニアを動員できるか」が評価軸だったからです。中小企業がいくら技術力を磨いても、物量の壁を超えられませんでした。
でも今、その構造が変わろうとしています。
AIによる生産性向上をケイパビリティとして本当に醸成できた組織であれば、10人のチームが100人相当の成果を出せる世界が現実になっています。本質的に顧客へサービス提供するコストが激減します。そうなれば、SMB企業が大手企業に正面から勝てる機会が生まれます。
私がRagateでAI活用を徹底的に推進している理由は、ここにあります。Cursorの全社導入、OpenClawによる仮想従業員構想、AI駆動のクラウドマイグレーション支援——これらはすべて、「少数精鋭でも最高品質を届ける」という経営判断から来ています。
生産性の向上こそが、日本の未来を切り拓く
日本の人口は減り続けています。2070年には現在の約7割——8,700万人まで縮小するという国立社会保障・人口問題研究所の推計があります。労働力が減れば、経済の規模も縮小するように見えます。
でも私は、別の答えを持っています。
人口が8割になっても、一人あたりの生産性が1.5倍になれば、GDP全体は拡大します。問題は人の数ではなく、一人ひとりがどれだけの価値を生み出せるかです。
AIは今、人間の知的生産性を根本から変えようとしています。コードを書く速さ、戦略を考える深さ、意思決定のスピード——すべてが変わります。この波に正しく乗れた組織は、少子化の圧力をはるかに上回る生産性の向上を実現できます。
Ragateが目指すのは、その「乗り方」を日本中の企業に届けることです。AIを使えば何でも解決するという幻想を売るのではなく、顧客の経営課題を起点に、本当に意味のある技術活用を設計し、実装し、定着させる。それが私たちの仕事です。
国内No.1テクノロジーパートナーへ
2022年度、RagateはAWS Partner Summitにて「Rising Star Partner of the Year – Japan」を受賞しました。毎年国内で1社のみに与えられるこの称号を、私たちの取り組みへの評価として受け止めています。2024年には私自身も「AWS Top Engineers」に選ばれ、2025年にはAWSアドバンスドティア認定を取得しました。
でも受賞は通過点に過ぎません。
私の夢は、Ragateが国内No.1のテクノロジーパートナー企業になることです。AIを正しく使い、生産性を劇的に引き上げる。規模ではなく知性で勝負できる組織を作り、日本のIT産業の生産性を底上げする。その先に、日本社会が抱える構造的な課題への答えがあると、私は信じています。
ツルハシを売りながら、私は日本の未来を作っています——そういう仕事を、Ragateはこれからもやり続けます。















